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Bull Note米国株 デイリー戦略ノート

DAILY · 2026 / W33

2026/08/14 — PPI が横ばいで CPI を追認し、S&P500 は初の 7,800 超え。同じ日に Cisco が全項目上振れで -9.1% になった

US 8/13 (木) は S&P500 7,798.99 (+0.65%) が初めて 7,800 を超え、NASDAQ 26,803.03 (+0.81%)・NASDAQ 100 30,084.50 (+1.15%) も大きく上昇した。一方 Dow は 53,839.99 (+0.13%) と小幅高にとどまり、指数間の差がこの日も開いている。牽引したのは 7 月 生産者物価指数 (PPI) で、前月比が 0.0% と予想の +0.2% を下回り、前年比も 5.5% から 4.7% へ大きく減速した。前日の消費者物価指数 (CPI) に続いてインフレ鈍化が 2 つの独立した指標で確認され、10 年債利回りは 4.64% へ低下している。半導体は Micron が +5.40% と AI メモリ需要を材料に続伸し 2 日連続で相場を牽引した。だが同じ日に Cisco が -9.10% と急落している。前日引け後の決算は売上・EPS・今期ガイダンス・通期ガイダンスの 5 項目すべてが市場予想を上回っていた。良い決算が売られる日の典型例として記録しておきたい。

執筆: kinjo21 分で読了中立

TL;DR

US 8/13 (木) は S&P500 が 7,798.99 (+0.65%) と初めて 7,800 を突破し、NASDAQ 100 は +1.15% と大幅高。一方 Dow は +0.13% の小幅高にとどまり指数間の格差が続いた。牽引役は 7 月 PPI で、前月比 0.0% (予想 +0.2%)・前年比 4.7% (前月 5.5%) とインフレ鈍化を明示し、前日の CPI と符号が揃った。2 つの独立指標で確認されたことで 10 年債利回りは 4.64% (-4.6bp) へ低下し、デュレーションの長い成長株が買われている。Micron は AI メモリ需要で +5.40%、Intel +3.80%、Palantir +4.45%。だが同じ日に Cisco が -9.10% と急落した。決算は 5 項目すべてが予想超えだったにもかかわらずである。粗利益率の低下と『ガイダンスが保守的すぎる』という評価が理由で、期待値との戦いの教材になる 1 日だった。

マーケット スナップショット

SPX+0.65%

S&P 500 (8/13 終値)

7,798.99

+50.49

IXIC+0.81%

NASDAQ Comp (8/13 終値)

26,803.03

+214.54

NDX+1.15%

NASDAQ 100 (8/13 終値)

30,084.50

+341.90

DJI+0.13%

Dow (8/13 終値)

53,839.99

+69.72

RUT+0.24%

Russell 2000 (8/13 終値)

3,052.85

+7.37

VIX+0.55%

VIX (8/13 終値)

14.63

+0.08

US10Y0.96%

10Y Yield (8/13)

4.64

-0.05

WTI2.62%

WTI 原油 (8/13)

81.09

-2.18

SPX
+0.65%
IXIC
+0.81%
NDX
+1.15%
DJI
+0.13%
RUT
+0.24%
VIX
+0.55%
US10Y
-0.96%
WTI
-2.62%
主要指数の前日比 (%)。中央が 0、緑=上昇・赤=下落で、バー長は変化率の大きさに比例。

主要シグナル

空売り比率 / AD ライン / Put/Call / VIX / 機関フロー など

今日の主役

S&P500 初の 7,800 超え

7,798.99 (+0.65%)。PPI が CPI を追認しインフレ鈍化が 2 指標で確定

市場テーマ

良い決算が売られた

Cisco は 5 項目すべて予想超えでも -9.10%。期待値との差がすべてを決めた

7 月 PPI

前月比 0.0%

予想 +0.2% を下回る。前年比も 5.5% → 4.7% と大きく減速

指数の分裂

NDX +1.15% / Dow +0.13%

半導体ウェイトの差。景気認識の分裂ではなく指数構造の問題

半導体の主役

Micron +5.40%

AI メモリ需要。2026 年の HBM 生産能力は完売済みとされる

最大の下落

Cisco -9.10%

粗利益率の低下と『ガイダンスが保守的すぎる』という評価

買収での急騰

Workday +18.18%

Silver Lake による買収報道

次の山場

JST 8/14 (金) 21:30

7 月 小売売上高。雇用が減る中で消費が保つかを見る

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この週のウィークリー戦略ノート

この日を含む 1 週間の総括と来週の主要イベント

WEEKLY · W33 (8/10–14)

2026/08/10–14 週 (W33) — 消費が崩れ、原油が +7.67% で勝った週。S&P500 は 3 週連続高で終えたが中身は入れ替わっていた

消費が崩れ、原油が勝ち、小型株が最高値を取った週。だれも見なかった 30 年債の +5.4bp が、翌週の答えだった。

この月のマンスリー戦略ノート

この日を含む 1 ヶ月の総括と来月の主要イベント

MONTHLY · 2026年8月

2026年8月 マンスリー — S&P500 +2.62% の上昇は、最初の 5 営業日で終わっていた。利上げ確率が往復して戻ってきた月

上昇は最初の 1 週間で終わっていた。市場は同じ月のうちに「利上げは消えた」と「利上げは来る」を往復し、振り出しの近くで 8 月を終えた。

0. 今日のヘッドライン

  • 🏆 今日の主役: 7 月 生産者物価指数 (PPI) が前月比 0.0% と予想 (+0.2%) を下回り、前日の CPI と符号が揃った。インフレ鈍化が独立した 2 指標で確認され、S&P500 は初めて 7,800 を超えた
  • 🌊 隠れたテーマ: Cisco が 5 項目すべて予想超えの決算を出しながら -9.10% と急落した。「良い決算」の定義は絶対値ではなく期待との差で決まる
  • ⚠️ 警戒: NASDAQ 100 +1.15% に対し Dow は +0.13%。この差は景気認識の分裂ではなく、半導体ウェイトの違いという指数の構造から来ている
  • 📅 次の山場: JST 8/14 (金) 21:30 の 7 月 小売売上高 (Retail Sales)

1. US 8/13 (木) 引け値レビュー — S&P500 が初めて 7,800 を超えた

🎯 要点: インフレ指標が 2 日続けて鈍化を示したことが、この日の上昇のすべてである。 1 つの指標だけでは偶然の可能性が残るが、CPI と PPI という独立した 2 つが同じ方向を指したことで、市場は確度が上がったと判断した。

数字

指数終値前日比コメント
S&P 5007,798.99+0.65%初めて 7,800 を超えた
NASDAQ Comp26,803.03+0.81%3 日続伸
NASDAQ 10030,084.50+1.15%初の 30,000 超え。S&P の約 1.8 倍の上昇
Dow 3053,839.99+0.13%小幅高にとどまった
Russell 20003,052.85+0.24%小幅高
VIX14.63+0.55%低位で安定
10Y Yield4.64%-4.6bpインフレ鈍化を受けて低下
30Y Yield5.21%-3.9bp長期も低下
WTI 原油$81.09-2.62%8/10 の急騰から反落
金 (先物)$4,412.7+0.09%高値圏で小動き

セクターは通信 (XLC) +1.67%・情報技術 (XLK) +1.36%・不動産 (XLRE) +1.34% が上位、素材 (XLB) -0.53%・ヘルスケア (XLV) -0.28%・エネルギー (XLE) -0.20% が下位。半導体 (SMH) は +1.21% と 2 日連続で上昇した。


2. 7 月 PPI — CPI を追認し、インフレ鈍化が確定した

🎯 要点: 単独の指標は偶然かもしれないが、独立した 2 つが揃えば傾向である。 前日の CPI に続いて PPI も鈍化を示したことで、市場はインフレの方向性について確信を持った。

数字

項目実績予想前月
総合 PPI (前月比)0.0% (横ばい)+0.2%-0.3%
総合 PPI (前年比)+4.7%+4.9%+5.5%
コア PPI (前月比)+0.2%+0.3%
コア PPI (前年比)+4.2%+4.7%

内訳を見ると、最終需要サービスが +0.2%、最終需要建設が +2.2% と上昇した一方、最終需要財が -0.7% と下落し、全体を横ばいへ引き下げた。

最も重要なのは前年比が 5.5% から 4.7% へ 0.8pt も減速した点である。 これは単月の振れではなく、明確な傾向の変化を示す幅である。

新規失業保険申請件数

項目実績予想前週
新規申請20.9 万件20.2 万件19.9 万件
4 週移動平均19.9 万件横ばい
継続受給177.7 万件179.4 万件179.9 万件

新規申請は予想より悪化したが、継続受給はむしろ改善した。職を失う人は増えているが、失った人が再就職するまでの期間は延びていないという読み方になる。労働市場の減速は続いているが、悪化が加速している証拠ではない。

📚 用語: 生産者物価指数 (PPI) と消費者物価指数 (CPI) の関係 PPI は企業が製品を出荷する段階の価格、CPI は消費者が購入する段階の価格である。原則として PPI の変化は数か月遅れて CPI に波及するため、PPI は CPI の先行指標として扱われる。ただし企業がコスト上昇を価格転嫁できるかは需要環境次第で、転嫁できなければ PPI が上がっても CPI は上がらず、代わりに企業の利益率が圧迫される。両者が同じ方向を指したときは信頼度が高く、逆方向のときは「誰が痛みを負担しているか」を考えるのが正しい読み方である。

なぜこれが株高につながったのか

10 年債利回りは 4.64% へ 4.6bp 低下した。金利低下は、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引く際の分母を小さくするため、遠い将来の利益に価値の大半がある成長株ほど恩恵が大きい。 NASDAQ 100 が +1.15% と S&P500 (+0.65%) の約 1.8 倍動いたのは、この構造による。

⚠️ 注記: 繰り返しになるが、この局面で「インフレ鈍化 → 利下げ期待」と読むのは誤りである。米国は 2026 年 6 月の FOMC でタカ派へ転換して以降、利上げ局面にある。市場が織り込んでいるのは利下げの回数ではなく利上げの回数であり、インフレ鈍化は「9 月の利上げが正当化しにくくなった」として効く。なお BofA は依然として年内 25bp × 3 回の利上げを主張しており、据え置きが確定したわけではない


3. 今日のテーマ分析 — Cisco はなぜ「全項目上振れ」で -9.1% になったのか

🎯 要点: 決算の良し悪しは、業績の絶対値ではなく、株価に織り込まれた期待との差で決まる。 Cisco はこの原則を、これ以上ないほど純粋な形で示した。

決算の内容は文句なしだった

前日 US 8/12 (水) 引け後に発表された Cisco の決算は、以下のとおりである。

項目実績市場予想判定
売上高$172.5 億 (前年比 +18%)$168.2 億✅ 上振れ
調整後 EPS$1.22$1.17✅ 上振れ
GAAP 純利益$39 億 (前年比 +51%)✅ 大幅増益
今期売上ガイダンス$180-182 億$168 億✅ 大幅上振れ
FY2027 売上ガイダンス$722-734 億$691 億✅ 大幅上振れ
FY2027 EPS ガイダンス$5.05-5.11$4.83✅ 大幅上振れ

6 項目すべてが市場予想を上回っている。 特に FY2027 の売上ガイダンスは市場予想を $30 億以上、EPS も $0.22 以上上回る強気の内容だった。

それでも -9.10% になった

指摘されている理由は 2 つである。

① 粗利益率の低下。 売上が伸びても、その売上を作るためのコストが相対的に増えていれば、成長の質は落ちる。AI 関連の需要に応えるために、利幅の薄い構成へ寄っている可能性がある。

② 「ガイダンスが保守的すぎる」という評価。 Piper Sandler は「現在の需要環境を考えるとガイダンスは保守的」と指摘した。市場予想を $30 億上回るガイダンスですら、市場が織り込んでいた AI 需要のモメンタムには届かなかったということである。

📚 用語: 「期待は織り込まれる」とはどういうことか 株価は将来の業績見通しを現在の価格に反映している。したがって決算発表の時点で、市場予想を上回ることは「すでに株価に入っている」場合が多い。 アナリストの公式予想 (コンセンサス) と、市場参加者が実際に期待している水準 (ささやき予想) は別物で、後者のほうが高いことがしばしばある。株価が事前に大きく上昇している銘柄ほど、この差は開く。 決算前の株価水準を見ずに「予想を上回ったのに下げた」と驚くのは、期待の織り込みを見落としている。

この日の教材価値

Cisco の -9.10% は、AI 関連銘柄に共通するリスクを可視化したという意味で重要である。AI というテーマで買われている銘柄は、すでに相当な期待を株価に織り込んでいる。その状態では、良い決算を出すことは「現状維持」であり、期待を超える決算を出さない限り株価は下がる。

この構図は 8 月の 2 週間を通して繰り返し現れている。8/4 の AMD (三点上振れで時間外 -8.8%)、8/5 の SpaceX (売上 +92% でも -13.61%)、そしてこの日の Cisco である。共通するのは、いずれも事前に大きく買われていた銘柄だという点だ。


4. 注目銘柄 — 深掘り 3 社

① Micron (MU) +5.40% — AI メモリが半導体を牽引した

この日の半導体上昇を主導した。株価は $960.54 まで上昇し、時価総額 1 兆ドル台を回復している。

買いの根拠は AI 向け高帯域幅メモリ (HBM) の需給の逼迫である。2026 年の HBM 生産能力はすでに完売済みとされ、従来の DRAM サイクルより高いマージンと価格決定力を持つという理解が広がった。

メモリは伝統的に景気循環の激しい業種で、価格競争に陥りやすい。 だが AI 向け HBM は技術的な参入障壁が高く、生産能力の確保が難しいため、従来の商品的な性格から外れつつある。同じメモリでも、汎用 DRAM と HBM では事業の質が違うという認識が株価に反映されている。

📚 用語: コモディティ化とその逆行 製品が差別化を失い、価格だけで選ばれる状態をコモディティ化と呼ぶ。この状態に陥ると、需要が強くても competitor が増産して価格が崩れ、利益率は上がらない。 メモリ産業は長年その典型で、好況と不況を数年周期で繰り返してきた。AI 向け HBM が注目されるのは、この循環から外れる可能性があるためである。 製造難易度が高く供給を増やしにくい製品は、需要が強い局面で価格決定力を保てる。「その製品は簡単に増産できるか」を問うだけで、需要の強さが利益に変わるかどうかの見当がつく。

② Cisco (CSCO) -9.10% — 前述のとおり

前日引け後の決算で 6 項目すべてが予想を上回りながら、この日の通常取引で -9.10% と急落した。時間外の -4% 台から下げ幅を拡大している。

③ Workday (WDAY) +18.18% — 決算とは無関係の急騰

Silver Lake による買収報道を受けて急伸した。この日の値動きで最大の上昇率だが、事業の内容とは無関係である。 同様に Tapestry (TPR) は -15.33% と急落しており、こちらは Kate Spade の低調と北米消費への慎重姿勢が理由である。

⚠️ 注記: 決算シーズンの終盤には、買収報道による急騰と、ガイダンス失望による急落が同じ日に併存しやすい。指数の平穏さ (VIX 14.63) の裏で、個別銘柄のばらつきは極めて大きかった。 指数だけを見ていると、この分散はまったく見えない。


5. なぜ Dow だけが横ばいだったのか — 指数構造の問題

NASDAQ 100 が +1.15% と大きく上げた日に、Dow は +0.13% の小幅高にとどまった。この差を「景気認識の分裂」と読むのは誤りである。

理由は 2 つある。

① Dow には半導体のウェイトが薄い。 この日の上昇を牽引したのは Micron +5.40%、Intel +3.80%、NVIDIA +0.67% といった半導体である。これらの比重が高い NASDAQ 100 は大きく上げ、比重の低い Dow は取り残された。

② Dow は株価加重である。 構成銘柄のうち UnitedHealth -1.54%、3M -1.03%、Home Depot -0.63% といった株価水準の高い銘柄が下げ、指数を押し下げた。時価総額ではなく 1 株あたりの株価で重みが決まるため、時価総額が小さくても株価の高い銘柄の下落が効いてしまう

つまりこの日の指数間の差は、市場が分裂していたからではなく、3 つの指数が違うものを測っているから生じた。 同じ日の同じ市場を、違う物差しで測れば違う数字が出る。それだけのことである。


6. 今週の残り — 小売売上高で「消費が保つか」を見る

JST 日付イベント重要度
JST 8/14 (金) 02:0030 年債入札 $250 億★★★
JST 8/14 (金) 05:30Applied Materials (AMAT) 決算 (US 8/13 引け後)★★★★★
JST 8/14 (金) 21:307 月 小売売上高 (Retail Sales)★★★★
JST 8/14 (金) 23:008 月 ミシガン大 消費者信頼感 (速報)★★★★

小売売上高が今週最後の山場である。 7 月の雇用統計で雇用者数が -2.3 万人と減少したことが分かっている以上、論点は「雇用が減っても消費は保つのか」の 1 点に絞られる。市場予想は前月比 +0.2〜0.3% 程度。ミシガン大の消費者信頼感 (速報) は 54.1 が見込まれており、前月の 55.2 から低下する予想である。

⚠️ 注記: 本記事の執筆時点 (JST 8/14 未明) では、7 月 小売売上高・ミシガン大消費者信頼感はいずれも未発表であり、上記はすべて市場予想である。Applied Materials の決算も US 8/13 引け後の発表で、実績と時間外の反応は本記事では確認できていない。オプション市場は ±11% の変動を織り込んでおり (過去 4 四半期の平均は約 6%)、株価は 1 年で +193% 上昇している。なお同社は過去 5 回の予想上振れ時ですら当日の平均反応が -2.18% であり、上振れが株高を保証しない点は Cisco と同じ構図である。


7. 今日の学び — 長期投資家として覚えておくべきこと

用語 / 概念

  1. PPI と CPI の関係 — PPI は CPI の先行指標。両者が同方向なら信頼度が高く、逆方向なら「誰が痛みを負担しているか」を考える
  2. 期待の織り込み — 決算の評価は絶対値ではなく期待との差。事前に買われている銘柄ほど、良い決算でも下げやすい
  3. 株価加重と時価総額加重 — Dow と NASDAQ 100 の差は市場の分裂ではなく、指数の設計の違いから生じる

パターン / 経験則

独立した 2 つの指標が同じ方向を指したとき、市場は初めて確信する。 8/12 の CPI 単独では市場の反応は限定的だった (S&P +0.26%)。だが翌 8/13 に PPI が同じ方向を示すと、S&P は +0.65% と反応が大きくなり、10 年債利回りも 4.6bp 低下した。1 つの指標は「点」だが、2 つ揃うと「線」になる。 単月の指標に過剰反応せず、確認を待つという姿勢は、この日の値動きが裏付けている。

もう 1 つ、「良い決算」の定義を絶対値で持たないことである。この 2 週間だけで AMD・SpaceX・Cisco の 3 社が、いずれも市場予想を上回りながら大きく下げた。共通点は事前に株価が大きく上昇していたことである。 決算を評価するときは、業績そのものと同時に「その業績がどれだけ株価に織り込まれているか」を必ず見る。株価が横ばいだった銘柄の小幅な上振れは買われ、1 年で +193% 上げた銘柄の大幅な上振れは売られる。同じ決算内容でも、出発点が違えば結果は逆になる。

監視指標の閾値表

指標現水準 (8/13)注意警戒意味
PPI (前年比)+4.7%5.5% 超6.0% 超川上のインフレ圧力
コア CPI (前年比)2.5%3.0% 超3.5% 超利上げ再開の根拠
10Y Yield4.64%4.85% 超5.0% 超成長株のバリュエーション圧迫
新規失業保険申請20.9 万件24 万件 超28 万件 超労働市場の悪化加速
VIX14.6320 超25 超警戒水準

8. 定点観測 12 指標

指標前日判定
VIX14.6314.55🟢
VIX ターム構造0.7870.914🟢
MOVE70.8868.16🟢
SKEW136.54135.59🟢
Put/Call OI 比1.071🟢
HYG/LQD 20 日変化+0.83%+1.12%🟢
セクター 50 日線超10 本9 本🟢
CNN Fear & Greed66.062.1🟢
DXY 20 日変化-0.76%-0.49%🟢
10Y-3M+93.2bp+97.5bp🟢
銅金比 20 日変化-5.45%-3.85%🟡
BTC-SPY 30 日相関0.3510.326🟢

12 指標のうち 11 が 🟢 で、リスクオンが継続している。読み取るべき点が 3 つある。

第一に、唯一の 🟡 である銅金比の 20 日変化が -5.45% とマイナス幅を広げた。 銅は景気に敏感、金は安全資産なので、この比率の低下は「景気より安全」への傾きを意味する。ただし前週から金が一貫して買われている (週間 +7.20% → 8/13 に $4,412.7) ことが主因で、銅が売られたのではなく金が買われた結果である。利上げ観測の後退という文脈と整合しており、景気後退のサインとして読むのは早い。

第二に、セクター 50 日線超が 9 本から 10 本へ増えた。 11 セクター中 10 が中期の上昇基調にあり、市場の幅は広い。指数が最高値圏にあるときに幅が狭い (少数銘柄で作られた上昇) と危険だが、この日についてはその懸念は当たらない。

第三に、CNN Fear & Greed が 66.0 と「強欲 (greed)」の領域に入った。 前日の 62.1 から上昇している。極端な水準 (80 超) ではないが、市場心理が楽観に傾いていることは意識しておきたい。 VIX 14.63 という低さと合わせると、悪材料への耐性が下がっている状態である。


9. 今日のまとめ

項目内容
指数S&P500 +0.65% (初の 7,800 超え) / NASDAQ +0.81% / NDX +1.15% / Dow +0.13%
主役7 月 PPI 前月比 0.0% (予想 +0.2%)。前年比も 5.5% → 4.7% と大きく減速
確度の上昇CPI (8/12) と PPI (8/13) の独立 2 指標でインフレ鈍化が確認された
金利の反応10Y 4.64% (-4.6bp) / 30Y 5.21% (-3.9bp)。成長株に追い風
最大の教材Cisco -9.10%。6 項目すべて予想超えでも粗利益率と期待水準に届かず
半導体の主役Micron +5.40% ($960.54、時価総額 1 兆ドル台を回復)。HBM は 2026 年分が完売とされる
セクター上位通信 +1.67% / 情報技術 +1.36% / 不動産 +1.34%
セクター下位素材 -0.53% / ヘルスケア -0.28% / エネルギー -0.20%
Dow が動かない理由半導体ウェイトが薄い + 株価加重で UNHMMMHD の下落が効いた
警戒CNN Fear & Greed 66.0 (強欲圏)。VIX 14.63 と合わせ悪材料への耐性は低下
次の山場JST 8/14 (金) 21:30 7 月 小売売上高 → 23:00 ミシガン大 消費者信頼感

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出典


免責: 本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記載されたデータは執筆時点のものであり、正確性を保証するものではありません。

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