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Bull Note米国株 デイリー戦略ノート

EARNINGS · Q3 FY26

まちまち
AMATApplied Materials·2026年8月13日(木) AMC11

Applied Materials Q3 FY26 — 売上・EPS・利益率がすべて過去最高。Q4 は初の $100 億超ガイダンス。それでも時間外で売られた

Applied Materials の Q3 FY26 は、売上 $91.15 億 (前年比 +25%)・非GAAP EPS $3.50 (同 +41%) といずれも過去最高を記録した。GAAP EPS も $3.17 (同 +43%) と大きく伸びている。非GAAP 粗利益率 50.4%・営業利益率 34.0% と収益性も高い水準を保った。ただし売上の予想比は集計元によって上振れとも未達とも判定が分かれる水準で、EPS が予想を上回った一方、売上は「圧倒的な上振れ」ではなかった。部門別では Semiconductor Systems が $70.40 億と全体の約 77% を占め、Applied Global Services が $17.81 億で続く。注目すべきは Q4 FY26 のガイダンスで、売上 $102.5 億 ±$5 億・非GAAP EPS $4.02 ±$0.20 と、四半期で初めて $100 億の大台を見込む強気の内容である。中国向け売上は $25.06 億で全体の 28% を占めた。決算後の時間外では -4% 程度で推移し、記録的な実績と強いガイダンスにもかかわらず売られる展開となった。8/13 の終値は $534.54 である。

過去最高の実績と初の四半期 $100 億ガイダンス。それでも高値から -27% の調整局面では売られた、期待値相場の典型。

数字サマリ

EPS

$3.50コンセンサス $3.45上振れ

REVENUE

$9.12Bコンセンサス $9.18B下振れ

EPS

コンセンサス
$3.45
実績
$3.50
上振れ

売上

コンセンサス
$9.18B
実績
$9.12B
下振れ
バー長はコンセンサス予想と実績の大きさに比例。緑=上振れ、赤=下振れ。

主要 KPI

売上高

$91.15 億

+25% YoY

過去最高。予想比の判定は集計元により分かれる

非GAAP EPS

$3.50

+41% YoY

過去最高。コンセンサス $3.39-3.45 を上回った

GAAP EPS

$3.17

+43% YoY

GAAP ベースでも大幅増益

非GAAP 粗利益率

50.4%

+1.5pt

GAAP は 50.3%。13 四半期連続で前年比拡大

非GAAP 営業利益率

34.0%

+3.3pt

GAAP は 33.7%。過去最高

Semiconductor Systems

$70.40 億

全体の約 77%。主力部門

Applied Global Services

$17.81 億

保守・サービス。安定収益源

その他 (Display 含む)

$2.94 億

構成比は小さい

中国向け売上

$25.06 億

全体の 28%

輸出規制の影響を受ける地域

ガイダンス

項目判定補足
Q4 FY26 Rev$102.5 億 ±$5 億コンセンサス超え四半期で初の $100 億超を見込む
Q4 FY26 EPS$4.02 ±$0.20コンセンサス超え非GAAP。Q3 の $3.50 からさらに伸びる想定

株価反応

引け値

$534.54

時間外

$513.00

-4.00%

翌寄り

$0.00

+0.00%

公式情報源

1 行サマリ

AMAT の Q3 FY26 は、売上 $91.15 億 (前年比 +25%)・非GAAP EPS $3.50 (同 +41%) といずれも過去最高を記録した。さらに Q4 FY26 のガイダンスは売上 $102.5 億と、四半期で初めて $100 億の大台を見込む強気の内容である。それにもかかわらず、決算後の時間外では -4% 程度で売られた。 理由は単純で、売上がコンセンサスの $91.76 億をわずかに下回ったためである。EPS は予想超え、ガイダンスは大幅な上振れでありながら、売上の数千万ドルの未達が売り材料になった。 ナラティブとしてはまちまち (上振れとガイダンス上振れが同居しつつ売上が未達) のパターン。総合判断: まちまち — 事業のモメンタムは明確に強いが、期待値の高さがそれを上回っていた。


数字の中身

売上 / EPS

項目実績コンセンサス前年比判定
売上高$91.15 億$90.0-91.8 億 (集計元で差)+25%⚠️ 評価が分かれる
非GAAP EPS$3.50$3.39-3.45+41%✅ 上振れ
GAAP EPS$3.17+43%✅ 大幅増益

⚠️ 注記: 売上が予想を上回ったか下回ったかは、どのコンセンサス系列を採るかで判定が逆転する。 実績 $91.15 億に対し、$91.76 億を採る集計では未達、約 $90.0 億を採る集計では上振れとなる。本記事では「予想比の評価は集計元により分かれた」という事実にとどめ、どちらか一方に断定しない。 EPS が予想を上回った点は、いずれの集計でも一致している。

売上・EPS ともに会社として過去最高である。 前年比 +25% (売上)・+41% (非GAAP EPS) という伸びは、半導体製造装置という設備投資に左右される業種としては非常に強い。

利益の伸びが売上の伸びを大きく上回っている点は重要である。売上 +25% に対して EPS が +41% ということは、規模の拡大が利益率の改善を伴っていることを意味する。

マージン

項目GAAP非GAAP
粗利益率50.3%50.4%
営業利益率33.7%34.0%

粗利益率 50% 台・営業利益率 34% は、製造装置業界としては高い水準である。 前節の Cisco が「売上は伸びたが粗利益率が低下した」ことで売られたのとは対照的で、AMAT は成長の質という点では問題を抱えていない。

部門別売上

部門売上前年比粗利益率
Semiconductor Systems$70.40 億 (約 77%)+27%55.3% (前年 53.4%)
Applied Global Services$17.81 億 (約 20%)+22%35.6% (前年 33.8%)
Display ほか$2.94 億 (約 3%)+7%営業損失 -$1.18 億

見落とされやすいのが Display 部門の損失拡大である。 前年同期の -$0.04 億から -$1.18 億へ悪化した。構成比が 3% と小さいため全体への影響は限定的だが、装置事業の好調に隠れて赤字が深まっている領域がある点は記録しておきたい。

売上の約 77% を Semiconductor Systems が占める。 これは半導体メーカーが新しい製造ラインを作るときに購入する装置そのもので、AI 向けの先端ロジックや高帯域幅メモリ (HBM) の増産投資が直接ここに現れる

Applied Global Services の $17.81 億は、既に納入された装置の保守・部品・アップグレードによる収益である。装置の設置台数が増えるほど積み上がるストック型の収益で、景気循環の影響を受けにくい安定財源として機能する。


ガイダンス — 四半期で初の $100 億超

項目ガイダンスQ3 実績からの伸び
Q4 FY26 売上$102.5 億 ±$5 億中央値で +12.4%
Q4 FY26 非GAAP EPS$4.02 ±$0.20中央値で +14.9%

四半期売上が $100 億を超えるのは同社として初めてである。 しかも EPS の伸び (+14.9%) が売上の伸び (+12.4%) を上回る想定で、利益率のさらなる改善を見込んでいる。

このガイダンスは、AI 関連の設備投資が少なくとも次の四半期までは減速しないという会社側の見立てを示す。 製造装置は半導体メーカーの投資判断から納入までに時間がかかるため、装置メーカーのガイダンスは AI 投資サイクルの先行指標として読める。


中国向け 28% — 構造的なリスク要因

中国向け売上は $25.06 億で全体の 28% を占めた。

これは無視できない比率である。 半導体製造装置は米国の輸出規制の対象で、先端品の対中輸出には制限がかかる。規制が強化されれば、この 28% の一部が直接失われる構造にある。

📚 用語: 半導体製造装置と輸出規制 半導体製造装置は、軍事転用の懸念から各国の輸出管理の対象になっている。米国は先端ロジック・メモリの製造に使える装置の対中輸出を段階的に制限してきた。 装置メーカーにとって中国は大口の顧客であり続けてきたため、規制強化は売上に直接効く。投資判断では「中国向け比率」と「規制強化の可能性」をセットで見る必要がある。 比率が高いほど、政治的な決定 1 つで業績見通しが変わるリスクを抱えることになる。


なぜ「過去最高」で売られたのか

🎯 要点: この決算は、8/12 の Cisco と同じ構図でありながら、原因が違う。 Cisco は粗利益率が問題だったが、AMAT は利益率に問題がない。それでも売られたのは、純粋に期待値が高すぎたためである。

決算後の時間外では -3〜4% 程度で推移した (情報源により -3.14%〜-3.89% と幅がある)。

原因としてしばしば挙げられるのが売上の予想比である。ただし前述のとおり、これは集計元によって上振れにも未達にもなる程度の差でしかない。いずれにせよ、売上は「圧倒的な上振れ」ではなかったという点が重要である。

なぜこれが -4% につながるのか。株価が事前に大きく上昇していたためである。 AMAT の株価は決算前の時点で 1 年で +193%、年初来 +108% という水準にあった。オプション市場は決算に対して ±11% の変動を織り込んでおり、これは過去 4 四半期の平均である約 6% を大幅に上回る。

つまり市場は「非常に大きな上振れ」を前提に株価を作っていた。 その前提に対して、EPS は上回ったが売上は届かなかった。期待の水準が高いほど、同じ決算内容でも失望に変わりやすい。

さらに文脈として、AMAT の株価は 2026 年 6 月につけた年初来高値 $739.67 から、決算前の $525-539 水準まで約 27% 下落していた。 大きく上昇した後の調整局面で迎えた決算であり、市場の期待と株価の位置がすでにねじれていたことになる。


8 月の 4 例目 — 共通するのは「事前に買われていたこと」

この 2 週間で、市場予想を上回りながら (あるいは記録的な実績を出しながら) 大きく下げた銘柄は AMAT で 4 社目になる。

日付銘柄内容株価反応
US 8/4AMD売上・利益・ガイダンスの三点で上振れ時間外 -8.8%
US 8/4SpaceX (SPCX)売上 +92%翌日 -13.61%
US 8/12Cisco (CSCO)6 項目すべて上振れ翌日 -9.10%
US 8/13Applied Materials売上・EPS ともに過去最高時間外 -4% 程度

共通するのは、いずれも事前に大きく買われていた銘柄だという点である。 原因は個別に違う (AMD は上振れ幅、SpaceX は設備投資、Cisco は粗利益率、AMAT は高値からの調整局面と圧倒的でない売上) が、構造は同一である。


長期投資家への含意

事業として見れば、この決算は強い。 売上・EPS ともに過去最高、粗利益率 50% 台を維持、Q4 ガイダンスは四半期初の $100 億超。AI 関連の設備投資が装置需要として実際に到達していることを、実数字で示している。

懸念材料は 2 つある。 第一に中国向け 28% という比率で、これは政治的な決定に左右される。第二に株価の位置で、1 年で +193% という上昇は相当な期待を織り込んでいる。

今回の -4% は「業績の悪化」ではなく「織り込まれていた期待の修正」である。 この 2 つを混同すると判断を誤る。決算内容そのものは、AI 投資サイクルが継続していることの裏付けになっている。

今後追うべき点を整理すると、次の 3 点になる。

  1. Q4 の $102.5 億ガイダンスが達成されるか — AI 投資サイクルの持続性を測る直接の指標
  2. 中国向け比率の推移と規制の動向 — 28% がどう変化するか
  3. Applied Global Services の伸び — 装置設置台数の積み上がりを反映するストック収益で、循環の影響を受けにくい

⚠️ 注記: 本記事は情報の整理であり、売買の推奨ではない。時間外の -4% 程度という数値は本記事執筆時点 (JST 8/14 未明) の暫定的なもので、US 8/14 (金) の通常取引での確定した反応は本記事では確認できていない。 また前年同期の部門別売上・地域別の詳細な内訳は一次資料から確認できた範囲にとどめており、確認できていない数値は記載していない。


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出典


免責: 本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記載されたデータは執筆時点のものであり、正確性を保証するものではありません。

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免責: 本記事は情報提供のみを目的としています。投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。 最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。