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Bull Note米国株 デイリー戦略ノート

EARNINGS · Q2 FY26

まちまち
SPCXSpace Exploration Technologies Corp. (SpaceX)·2026年8月04日(火) AMC20

SPCX Q2 FY26 — 売上 +92% で全 3 部門が加速、それでも -13.6%。上場後初決算を沈めたのは設備投資 $183.7 億という 1 行だった

SpaceX の上場後初となる Q2 FY26 は売上 $78.1 億 (前年比 +92%)・調整後 EBITDA $35.4 億 (同 +191%)・純損失 $5.41 億 (前年 $10.08 億から縮小) と、コンセンサス $68 億を $10 億上回る内容だった。Space・Connectivity・AI の 3 部門すべてが加速し、AI 部門は売上 $25.6 億 (+247%) で調整後 EBITDA が前年 -$2.76 億から +$11.46 億へ黒字転換している。それでも株価は US 8/4 時間外 -8.56%、8/5 の引けで $108.27 (-13.61%) まで売られた。理由は四半期の設備投資が $183.7 億 (うち AI 部門が $158.3 億、前年同期 $7.49 億の 21 倍) に達し、CFO が Q3・Q4 も同水準と示唆したこと。売上の 2.4 倍を設備投資に投じる構造が、成長率ではなく資本強度で採点される局面を作った。IPO 価格 $135 を 20% 下回る水準にある。

売上 +92%・AI 部門 +247%・EBITDA +191% と数字は全方位で上振れ。それでも設備投資 $183.7 億と「次の 2 四半期も同水準」の一言で -13.6%。上場後初決算は、成長率ではなく資本強度で採点された。

数字サマリ

EPS

$-0.09コンセンサス $-0.26上振れ

REVENUE

$7.81Bコンセンサス $6.81B上振れ

EPS

コンセンサス
$-0.26
実績
$-0.09
上振れ

売上

コンセンサス
$6.81B
実績
$7.81B
上振れ
バー長はコンセンサス予想と実績の大きさに比例。緑=上振れ、赤=下振れ。

主要 KPI

調整後 EBITDA

$35.4 億

+191% YoY

全社。売上総額比 45.3%

純損失

-$5.41 億

$4.67 億の改善

四半期ベース。上半期は -$48.2 億

設備投資

$183.7 億

+550% YoY

うち AI 部門 $158.3 億 (86%)。前 Q は $101.1 億

AI 部門 売上

$25.6 億

+247% YoY

前 Q 比 +213%。クラウド契約が牽引

AI 部門 調整後 EBITDA

+$11.46 億

黒字転換

営業損益は -$12.57 億の赤字のまま

Connectivity 売上

$42.9 億

+66% YoY

営業利益は +79% の $16.6 億

Starlink 加入者

1,200 万人

+100% YoY

四半期純増 170 万人で過去最高

Starlink ARPU

月 $66

-22% YoY

ただし前 Q も $66 で横ばい。下げ止まりの兆し

Space 部門 売上

$9.62 億

+29% YoY

営業損失 -$5.42 億。Starship の R&D $10.8 億が重い

計算能力

1.4 GW

+250% YoY

前 Q 1.0 GW から拡大。2026 年末 2GW 超が目標

受注残

$475 億

クラウド契約 $141 億の新規受注を含む

現金・有価証券

$1,000 億

IPO $857 億 + 起債 $250 億が寄与

ガイダンス

項目判定補足
Q3・Q4 設備投資Q2 と同水準 ($183.7 億)コンセンサス超え売られた最大の理由。市場想定は $130 億前後だった
AI 計算能力 (2026 年末)2GW 超上方修正Q2 実績 1.4GW から積み増し
AI 計算能力 (2027 年末)約 10GW上方修正電力・冷却は 15GW 超
ARR (2026 年 12 月)$1,000 億据え置き年間経常収益ベースの目標
売上 $1 兆 の到達時期2030 年上方修正従来の 2031 年から 1 年前倒し
Starlink Mobile 単独サービス2027 年末据え置きEchoStar のスペクトラム取得が前提

株価反応

引け値

$125.33

時間外

$114.60

-8.56%

公式情報源

1 行サマリ

SPCX の Q2 FY26 は、上場企業 SpaceX が世に出す最初の通信簿だった。売上 $78.1 億はコンセンサス $68.1 億を $10 億上回り、前年同期の $40.7 億から +92%。1 株あたり損失は -$0.09 と予想 -$0.26 から大幅に改善し、調整後 EBITDA は $35.4 億 (前年比 +191%) に達した。Space・Connectivity・AI の 3 部門すべてが前年比・前四半期比の両方で加速している。

それでも株価は US 8/4 (火) の時間外で -8.56%、翌 US 8/5 (水) の引けで $108.27 (-13.61%) まで売られた。売り材料は四半期の設備投資 $183.7 億、そのうち $158.3 億 (86%) が AI 部門という 1 行である。前年同期の AI 部門設備投資は $7.49 億だったので、1 年で 21 倍になった計算になる。CFO が「Q3・Q4 も Q2 と同水準」と示唆したことで、この水準が一時的なものではないと市場が理解した瞬間に株価が折れた。

ナラティブ パターンは ④ 逆説 (上振れで売られた)。ただし本質は「良い決算が売られた」ではなく、投資家が採点する軸そのものが成長率から資本強度に切り替わったことにある。売上 $78.1 億に対して設備投資 $183.7 億という比率 (2.4 倍) は、通常の成長企業の物差しでは測れない。総合判断: まちまち


数字の中身

損益計算書 — 営業損失は 1 年で 85% 縮小した

項目Q2 FY26Q1 FY26Q2 FY25前年比
売上$7,814M$4,694M$4,071M+92%
売上原価$3,495M$2,282M+53%
研究開発費$3,548M$1,958M+81%
販売管理費$912M$606M+50%
営業損失-$143M-$1,943M-$970M85% 縮小
支払利息-$629M-$411M+53%
受取利息+$340M+$98M+247%
その他損益-$86M+$413M
純損失-$541M-$1,008M46% 縮小
1 株損失-$0.09-$0.34

最も注目すべきは 営業損失が -$970M から -$143M へ 85% 縮小した点である。売上が +92% 伸びる一方で売上原価は +53% しか増えておらず、規模の経済が明確に効き始めている。研究開発費 $3,548M (+81%) は売上の 45% を占める異常な水準だが、これは Starship と AI モデルへの先行投資であり、営業損失がそれでも縮小したという事実の方が重い。

⚠️ 注記: 四半期の純損失 -$5.41 億に対し、上半期累計は -$48.2 億である。 差分の大半は Q1 に計上された「その他損益 -$19.6 億」で、これは上場前の資本再編に伴う一過性の項目とみられる。四半期だけを見ると改善が鮮明だが、暦年ベースの損失はまだ大きい。株主帰属ベースの上半期損失は -$54.9 億とさらに膨らむ。

📚 用語: 調整後 EBITDA (Adjusted EBITDA) とは 純損益から減価償却費・株式報酬・リストラ費用・減損・支払利息・受取利息・その他損益・法人税を差し引いて求める非 GAAP 指標。設備投資が重い企業ほど減価償却費が大きくなるため、「事業がキャッシュを生んでいるか」を減価償却の影響を除いて見るために使われる。SpaceX の Q2 は減価償却費が $2,848M と純損失 $541M の 5 倍を超えており、この調整の効果が極めて大きい。ただし減価償却は「過去に使った現金」の費用配分であり、それを足し戻した EBITDA が黒字でも、今まさに $183.7 億の現金が出ていく事実は変わらない点は押さえておきたい。

セグメント別 — 3 部門すべてが加速した

部門売上前年比前 Q 比営業損益調整後 EBITDA
Connectivity (Starlink)$4,291M+66%+32%+$1,656M+$2,597M
AI (計算基盤・Grok・X)$2,561M+247%+213%-$1,257M+$1,146M
Space (打ち上げ)$962M+29%+55%-$542M-$205M
合計$7,814M+92%+66%-$143M+$3,538M

AI 部門の損益構造が最も劇的に変わった。 営業損益は -$12.57 億の赤字のままだが、前四半期の -$24.69 億から半減しており、調整後 EBITDA は前年 -$2.76 億・前 Q -$6.09 億から +$11.46 億へ黒字転換した。差を生んでいるのは減価償却費 $1,885M で、これは AI 設備投資が資産計上され費用配分され始めたことを意味する。

Connectivity は最も健全な部門で、売上 +66% に対して営業利益が +79% と利益の伸びが売上を上回っている。内訳は消費者向け $2,485M (+44%)、法人・政府向け $1,806M (+108%) で、伸び率では法人・政府向けが消費者向けの 2 倍以上。Starshield (政府向け衛星網) で $60 億超の複数年契約を獲得したことが効いている。

Space 部門は営業損失 -$5.42 億。売上 $962M に対して研究開発費が $1,076M と売上を上回る構造で、これは Starship 開発への集中投資による。会社は「軌道投入コストを従来平均比で 99% 以上削減する」と説明しており、赤字は意図的なものと読める。

指標Q2 FY26Q1 FY26Q2 FY25
加入者数1,200 万人1,030 万人600 万人
ARPU (月あたり)$66$66$85
消費者向け売上$2,485M$2,148M$1,721M
法人・政府向け売上$1,806M$1,109M$867M

ARPU $66 は前年同期の $85 から -22% だが、前四半期も $66 で横ばいである。 会社側も「Q1 2026 と同水準を維持した (in line with Q1 2026)」と明記しており、新興国展開と低価格プランによる希薄化は Q1 で一巡した可能性が高い。「加入者の伸びを ARPU で買っている」という弱気論は、前年比だけを見ると成立するが、直近の趨勢では弱まっている。

📚 用語: ARPU (Average Revenue Per User、加入者あたり平均売上) とは 通信・サブスクリプション事業で、加入者 1 人が 1 か月あたりいくらの売上をもたらすかを示す指標。加入者数 × ARPU = 売上という関係にあるため、加入者が倍増しても ARPU が 2 割減れば売上の伸びは単純な倍増にならない。新興国や低価格プランで加入者を増やす戦略は ARPU を下げるが、それが「成長の質の劣化」なのか「市場拡大の必要コスト」なのかは、ARPU の下落が止まるかどうかで判別する。止まれば後者、下がり続ければ前者である。

AI 部門 — 契約 $141 億が売上に変わり始めた

AI 部門の売上 $2,561M の内訳は、広告収入 $367M と AI ソリューション・インフラ収入 $2,194M。前年同期はそれぞれ $426M・$311M だったので、広告は減少し、計算基盤の提供が 7 倍になったという構図である。

会社はこの四半期にクラウドサービス契約 (Cloud Services Agreements) $141 億の受注を獲得し、そのうち $16 億が当四半期の増収として計上されたと説明している。計算能力は前四半期の 1.0GW から 1.4GW へ拡大し、Colossus II の建設が進行中。

決算と同時に、AI コーディング ツールの Cursor を $600 億で買収する合意も発表された (Q3 完了予定)。7 月にリリースした Grok 4.5 は Cursor と共同で訓練され、1.5 兆パラメータの V9 基盤モデルを組み込んでいる。

📚 用語: 契約済み売上 (Contracted Sales) とは 会社が定義する「解約不能かつ強制執行可能な期間について締結済みの契約総額」。当期に売上計上した分と、繰延収益として計上した分の両方を含むが、将来のキャンセル可能な部分は含まない受注残 (backlog) より狭く定義される場合が多く、収益の確度は高い。ただし「解約不能な期間」がどれだけの長さかで意味が変わるため、契約総額 $141 億のうち何年分かは開示されていない点には注意が要る。


設備投資 $183.7 億 — 売られた理由のすべて

株価を -13.6% にした数字は、この 1 行に集約される。

部門Q2 FY26Q1 FY26Q2 FY25前年比
AI$15,828M$7,723M$749M+2,013%
Connectivity$1,367M$1,332M$1,130M+21%
Space$1,174M$1,052M$946M+24%
合計$18,369M$10,107M$2,825M+550%

Connectivity と Space の設備投資は前年比 +21%・+24% と、売上の伸びに見合った常識的な増加にとどまっている。異常なのは AI 部門だけで、$7.49 億から $158.3 億へ 21 倍になった。全社設備投資の 86% を 1 部門が占め、その部門の売上は $25.6 億にすぎない。売上の 6 倍を設備投資に注いでいる計算になる。

CFO の Bret Johnsen はこれを「計算資源への新規投資は回収期間 1 年未満で、ほとんど売上原価のようなもの」と正当化した。理屈としては筋が通る — 回収期間が 1 年未満なら、投じた $158 億は 1 年以内に営業キャッシュフローで戻ってくることになる。

問題はその前提が「需要が続くこと」に依存している点である。 クラウド契約 $141 億は「解約不能な期間について」の数字であり、その期間を超えた部分はキャンセルされうる。計算基盤への投資は物理的な資産として残るが、需要が消えれば減価償却だけが続く。市場が売ったのは決算の中身ではなく、この非対称なリスクの引き受け方である。

🎯 要点: 「回収期間 1 年未満」という主張は、正しければ極めて強気の材料になる。 売上 $25.6 億の部門に $158 億を投じても、それが 1 年で戻るなら資本効率は驚異的だ。だが検証されるのは 1 年後で、それまでの間、投資家は主張を信じるか信じないかという 2 択を迫られる。株価 -13.6% は、市場が「まだ信じない」と答えた結果である。


財務基盤 — 現金 $1,000 億が生む猶予

売られた決算だが、財務の余力は極めて厚い。

項目2026/6/302025/12/31
現金・現金同等物$93,522M$24,747M
有価証券$6,487M$0M
有形固定資産 (純額)$65,736M$42,602M
総資産$192,770M$92,079M
有利子負債 (長期)$36,839M$21,968M
株主資本$127,224M$2,573M

現金と有価証券の合計は $1,000 億。この厚みは 2 つの資金調達で作られた。

  1. 2026/6/12 に Nasdaq へ上場し、6/15 に 638,888,888 株の売り出し完了を発表。純調達額は約 $857 億で、史上最大の IPO となった。公開価格は $135。
  2. 2026/6/26 に $250 億の初回社債を発行。5 トランシェ (2031・2033・2036・2046・2056 年満期) で、年利は 5.35%〜6.65%、加重平均 5.855%

つまり四半期の設備投資 $183.7 億は、現金 $1,000 億に対して 5.4 四半期分にあたる。仮に売上がゼロでも 1 年以上は現行ペースの投資を続けられる計算で、当面の資金調達リスクは小さい。株主資本が $25.7 億から $1,272 億へ膨らんだのも、この 2 つの調達による。

一方で有利子負債は $219.7 億から $368.4 億へ増えており、支払利息は四半期で $629M。加重平均 5.855% という調達コストは、金利が高止まりする局面では重みを増していく。


株価反応 — 決算前の +9.4% が振れ幅を作った

局面株価変化
US 8/4 (火) 引け$125.33+9.43%
US 8/4 (火) 時間外$114.60-8.56%
US 8/5 (水) 引け$108.27-13.61%
US 8/5 (水) 時間外$110.02+1.75%

見落としやすいのは、決算発表当日の通常セッションで既に +9.43% 上げていたことである。決算への期待が日中に織り込まれた分、失望の振れ幅が増幅された。8/4 の引け値 $125.33 を起点にすれば -13.6% だが、8/4 の寄り前水準からの下落幅はもっと小さい。

現在値 $108.27 は IPO 価格 $135 を約 20% 下回る。52 週レンジは $104.83〜$225.64 で、下限に近い位置にある。

翌 US 8/5 の時間外で +1.75% と小幅に戻していることは、パニック的な投げ売りが一巡した可能性を示す。


アナリストの反応 — 格下げは 1 件も出ていない

機関格付け目標株価日付
Piper SandlerNeutral 据え置き$156 → $140US 8/5
NeedhamBuy 継続$250US 8/5
Cantor FitzgeraldOverweight 継続$246US 8/5
RBCOutperform 継続$225US 8/3 (決算前)

注目すべきは、決算を理由にした格下げが 1 件も出ていない点である。 目標株価を動かしたのは Piper Sandler のみで、しかも格付けは Neutral のまま据え置き。引き下げの理由も決算内容ではなくロックアップ解除(流通株が大幅に増える需給要因) だった。強気勢は目標株価を据え置いている。

アナリストの平均目標株価は $229 前後で、現値 $108.27 との乖離は 2 倍以上ある。これは「アナリストが強気すぎる」とも「株価が売られすぎ」とも読めるが、少なくともプロの見立てと市場の値付けが大きく食い違っている状態であることは確かだ。

⚠️ 注記: 目標株価と現値の乖離が大きいこと自体は、買い材料でも売り材料でもない。 アナリストのモデルは決算後の更新に時間がかかり、特に「設備投資が想定の 1.4 倍」のような前提変更は次の四半期のモデルに反映されることが多い。US 8/5 時点の目標株価の多くは、決算前の設備投資前提で計算されている可能性がある。


強気の見立てと弱気の見立て

強気派の核

  • 売上 +92% は加速している (前四半期は +66%)。減速の兆しがない
  • 3 部門すべてが前年比・前四半期比の両方でプラス。特定事業への依存がない
  • 営業損失が 85% 縮小 (-$970M → -$143M)。規模の経済が効いている証拠
  • AI 部門の調整後 EBITDA が黒字転換 (-$2.76 億 → +$11.46 億)
  • ARPU $66 は前四半期と横ばいで、希薄化は一巡した可能性
  • 現金 $1,000 億で当面の資金調達リスクが小さい
  • 受注残 $475 億 + クラウド契約 $141 億の新規受注
  • 法人・政府向け Connectivity が +108% と最も速い。粘着性が高い顧客層

弱気派の核

  • 設備投資 $183.7 億は売上の 2.4 倍。この比率で成長する企業の適正評価は誰も知らない
  • AI 部門の設備投資 $158.3 億に対し、同部門の売上は $25.6 億 (6 倍)
  • 「回収期間 1 年未満」は検証まで 1 年かかる主張で、外れたときの毀損が大きい
  • クラウド契約は解約不能期間を超えるとキャンセルされうる
  • Space 部門は研究開発費が売上を上回る赤字構造
  • 有利子負債 $368 億・加重平均金利 5.855% で支払利息が四半期 $629M
  • ロックアップ解除が需給の重石
  • IPO 価格 $135 を 20% 下回る水準

立場別の考え方

立場考え方
未保有判断軸は「AI 設備投資の回収を信じるか」の一点に集約される。回収期間 1 年未満という主張の検証は Q3・Q4 の営業キャッシュフローで部分的に可能になるため、次の 1-2 四半期を待つという選択に合理性がある。ロックアップ解除も需給の重石として残る
含み益IPO で買った層は既に含み損の可能性が高い ($135 に対し $108.27)。決算内容そのものは毀損していないため、設備投資のピークアウトを待つ余地はある
含み損成長率は毀損していないという事実は重い。ただし「良い会社」と「良い株価」は別で、売上の 2.4 倍を投資する企業の適正倍率が定まるまでボラティリティは続く前提で考えたい

次の四半期で確認すべき 5 つの KPI

  1. 設備投資の実額 — 「Q2 並み」というガイダンスを守るか、さらに膨らむか。$183.7 億を超えたら前提が崩れる
  2. AI 部門の営業損益 — -$12.57 億がどこまで縮むか。減価償却の増加ペースを売上の伸びが上回れるかが焦点
  3. Starlink ARPU — $66 で 2 四半期連続横ばいだった。3 四半期目も維持できれば「希薄化は一巡」が確定する
  4. クラウド契約の更新 — $141 億の契約が実際に更新されるか。解約不能期間の満了時期の開示があるか
  5. Space 部門の損益 — Starship の研究開発費 $10.8 億を吸収して黒字化に向かうか

この決算が示した局面のサイン

この決算は「成長率ではなく資本強度で株価が決まる局面」の教科書的な事例である。 売上 +92%・EPS 上振れ・全部門加速という、通常なら疑いなく買われる内容が、設備投資 1 項目で -13.6% に転じた。

同じ US 8/4 引け後には AMD も売上・利益・見通しの三点で上振れながら時間外 -8.8% となっており (AMD Q2 FY26 決算)、両社に共通するのは「AI の需要は認めるが、それを取りに行く支出がいつ利益として返ってくるか」という問いだった。2026 年 7 月までの相場が「AI の需要は本物か」を問うていたのに対し、8 月の相場は需要を前提とした上で回収期間を問い始めている

これは疑いではなく成熟だが、株価にとっては同じくらい厳しい問いである。


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データソース・引用

一次資料 (SpaceX 公式)

決算説明会・報道

株価・アナリスト


免責: 本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記載されたデータは執筆時点のものであり、正確性を保証するものではありません。

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