DAILY · 2026 / W27
2026/06/30 — テック猛反発で Q2 締め、NASDAQ +1.5% / Alphabet Dow 初日 +3.7% / 年金リバランス $165B を消化
US 6/30 (月) は半導体主導のテック猛反発で S&P 500 +0.79%・NASDAQ +1.52%。Alphabet が Dow 入り初日で +3.7%、AMD +7.7% / Intel +7%。Q2 は S&P +14%・NASDAQ +20% と 2020 年以来最高の四半期で着地。年金リバランス $165B (JPMorgan 推計) の売り圧力を完全消化した強さが印象的。Chicago PMI 56.7 は予想 61 割れ。VIX 16.45 へ低下。
TL;DR
US 6/30 (月) は半導体主導のテック猛反発で S&P 500 +0.79%・NASDAQ +1.52%。Q2 は S&P +14%・NASDAQ +20% と 2020 年以来最高の四半期で着地。Alphabet (GOOGL) が Dow 入り初日に +3.7% と歴史的イベント。AMD +7.7%・Intel +7% と半導体が一斉反発。年金リバランス推計 $165B の機械的売りを消化し、テック・オーバーシュートの買い戻しが勝った 1 日。Chicago PMI 56.7 は予想 61.0 割れで製造業の減速シグナルも、市場は無視。
マーケット スナップショット
S&P 500 (6/30 終値)
7,449.36
+58.51
NASDAQ Comp (6/30 終値)
26,213.72
+391.47
Dow (6/30 終値)
52,319.20
+136.04
Russell 2000 (6/30 終値)
3,024.37
+13.87
VIX (6/30 終値)
16.45
-1.20
10Y Yield (6/30)
4.42
+0.05
WTI 原油 (6/30)
69.49
-0.01
USD/JPY (6/30)
162.60
+0.67
主要シグナル
空売り比率 / AD ライン / Put/Call / VIX / 機関フロー など
今週の山場
NFP JST 7/2 (木) 21:30
6月 米雇用統計。5月は +172k 大ビート → 年内利下げ消滅のきっかけ
今朝の主役
AMD +7.7% / INTC +7%
半導体セクター一斉反発。テック全体の買い戻し
市場テーマ
Q2 締め・2020年以来最高
S&P +14%・NASDAQ +20%・Dow +12% の四半期
Dow 入替
GOOGL IN / VZ OUT
Alphabet Dow 初日 +3.7%。130年の歴史で Big Tech 5社目
警戒シグナル
Chicago PMI 56.7
予想 61.0 割れ。製造業の減速シグナル
リスクオン度
6 / 10
VIX 16.45 で低位安定。ただし Fear & Greed 31 で Fear 圏
USD/JPY
162.60
162 超で介入リスク高まる。前日 161.80 からさらに上昇
年金リバランス
$165B 売り推計
JPMorgan 推計。機械的売りを完全消化
この月のマンスリー戦略ノート
この日を含む 1 ヶ月の総括と来月の主要イベント
MONTHLY · 2026年6月
2026年6月 マンスリー — 「利下げの死」と大転換、AI 多幸感の絶頂から Warsh タカ派ショックへ。テック -5% vs ヘルスケア +8% のグレート・ローテーション
「利下げの死」と大転換。AI 多幸感の絶頂から Warsh タカ派ショックへ。SPX -3%・NASDAQ -6% に対し Dow +2%・Russell +3%。テック→バリューのグレート・ローテーション。
0. 今朝のヘッドライン
- 🏆 主役: 「半導体猛反発で Q2 を有終の美」。AMD +7.7%・Intel +7.0%・NVIDIA +2.6% で半導体セクターが一斉反発。前週の NASDAQ 5 日続落 (-4.6%) を取り返す勢いで、Q2 最終日を締めくくった
- 🌊 隠れたテーマ: 「Alphabet (GOOGL) が Dow に初参戦」。Verizon と入替で JST 6/30 (月) 寄りから正式組入れ。初日は +3.7% と好発進。Dow の Big Tech は AAPL / AMZN / MSFT / NVDA に続く 5 社目
- ⚠️ 警戒: 年金リバランス推計 $165B (JPMorgan) の機械的売りは消化したが、Fear & Greed 31 (Fear 圏) + USD/JPY 162.60 が介入リスク。Chicago PMI 56.7 (予想 61.0 割れ) で製造業に減速の兆し
- 📰 引け後速報: Nike (NKE) が 6/30 AMC で Q4 決算発表。売上 $11.0B・EPS $0.72 で大幅上振れだが、IEEPA 関税還付の一時ベネフィット $0.52 込み。実力値の見極めが焦点
- 📅 今週の山場: JST 7/1 (火) 23:00 ISM 製造業 + JST 7/2 (木) 21:30 6 月米雇用統計 (NFP)。7/2 は US 13:00 ET 早期引け、7/3 (金) は独立記念日振替休場
1. 昨夜 (US 6/30 (月)) 引け値レビュー
🎯 要点: NASDAQ +1.52% でテックが主導権を取り戻し、Q2 を 2020 年以来最高の四半期で締めた。
数字 (簡潔に)
| 指数 | 終値 | 騰落 | コメント |
|---|---|---|---|
| SPX | 7,449.36 | +0.79% | 前週末 7,354 から反発。7,400 回復 |
| NASDAQ Comp | 26,213.72 | +1.52% | 5 日続落を止め、大幅反発 |
| Dow | 52,319.20 | +0.26% | 2 日連続最高値更新。GOOGL 寄与 |
| Russell 2000 | 3,024.37 | +0.46% | 3,000 台を維持、小型株も堅調 |
| VIX | 16.45 | -6.8% | 前日 17.65 から急低下。安心感 |
🎯 要点: 「年金の売りを吸収し、テックが主導権を取り戻した Q2 最終日」。 NASDAQ は前週 -4.6% の下落を 1 日で +1.52% 取り返す力強さ。Q2 全体では S&P 500 +14%・NASDAQ +20%・Dow +12% と 2020 年以来最高の四半期で着地した。
なぜテックが反発したか — 3 つのドライバー
① 半導体セクター一斉反発 — AMD +7.7%、Intel +7.0%
AMD と Intel がそれぞれ +7% 超の急騰。前週は Apple メモリ危機 (-6.6%) と利益確定売りで半導体が大きく下げていたが、Q2 最終日にリスクオンのビッドが入った。
背景は AI インフラ投資の継続期待。Micron の好決算 (US 6/25 引け後、+15.7%) が「メモリ需要は構造的」と確認し、AMD (YTD +163%) と Intel (YTD +277%) への買い戻しが加速した。
AMD は $577、Intel は $141 で引け、広範なセクターの巻き返しとなった。
📚 用語: ウィンドウドレッシングとは 四半期末にファンドマネージャーが保有報告書の見栄えを整えるため、その四半期で好パフォーマンスだった銘柄を駆け込みで買う行動。Q2 に +163%〜+277% だった半導体株は典型的な対象で、最終日の買い需要が通常より膨らむ。制度的な需給であり、ファンダメンタルズの変化ではない点に注意。
② Alphabet Dow 初日 — 130 年の歴史で Big Tech 5 社目
S&P Dow Jones Indices は JST 6/24 (火) に Alphabet (GOOGL) の Dow 組入れを発表。Verizon (VZ) との入替が JST 6/30 (月) 寄りから発効し、初日に +3.7% ($350.24) と好発進した。
Dow は株価加重指数のため、低株価の Verizon ($42 前後) はウェイトが約 0.5% しかなかった。GOOGL ($338→$350) はその約 8 倍のウェイトで組入れされ、AI・クラウド・デジタル広告の代表として指数に厚みが加わる。
Dow には既に Apple・Amazon・Microsoft・NVIDIA が入っており、Big Tech 5 社が名を連ねる歴史的な構成となった。
📚 用語: 株価加重指数 (Price-Weighted Index) とは 各構成銘柄の「株価」をそのままウェイトに使う指数。Dow が代表例。株価が高い銘柄ほど指数への影響が大きい。対照的に S&P 500 は時価総額加重。Dow に GOOGL ($350) が入り VZ ($42) が外れると、テクノロジーの動きが指数により強く反映される構造になる。
③ 年金リバランス $165B の売りを消化
JPMorgan の推計では、Q2 末のグローバル機関投資家による株式売り・債券買いのリバランスは約 $165B (過去 4 年で最大)。米国年金だけでも $30B の売り圧力とされた。
背景は米国年金の積立比率が 110% (2001 年以来最高) に達し、リスク配分を削減する動機が強まったこと。
「株が上がりすぎたので配分を戻す」という機械的な売りであり、ファンダメンタルズとは無関係。US 6/30 にこの売りを吸収し NASDAQ +1.5% だったことは、テック需要の底堅さを裏付ける。
🎯 要点: 年金の機械的売りは数日で消化される一過性の圧力。 大事なのは「売り圧力の後にどちらに動くか」。今回は即座にテックが買い戻された。
前日の振り返り — 構造変化のサイン
- SMCI -8.1% がテック高に逆行 = 台湾での NVIDIA チップ密輸疑惑に関する家宅捜索報道が直撃。半導体セクター全面高のなかで最大の下落銘柄に。コンプライアンスリスクが再浮上
- Q2 に NASDAQ +20% vs 等加重 S&P (RSP) +0.2% と「テック集中」が極端に = 少数の大型テックが指数を引き上げ、それ以外は横ばい。ブレッドスの狭さは過去の天井局面と類似するリスク要因
- USD/JPY 162.60 で「介入ゾーン」が再接近 = NFP 大ビートからの金利上昇でドル高が再加速。162-165 は日銀・財務省の介入実績レンジ。JST 7/2 (木) 21:30 の NFP が上振れれば 165 接近の可能性
2. 今日のテーマ分析 — 市場が何を語っているか
テーマ 1: Q2 は 2020 年以来最高 — でもブレッドスは警告を発している
🎯 要点: 指数は絶好調だが、「何社で上がっているか」をチェックしないと楽観の罠にはまる。
Q2 の成績は輝かしい。S&P 500 +14%、NASDAQ +20%、Dow +12%。しかし等加重 S&P 500 (RSP) は Q2 でわずか +0.2% と、時価総額加重との乖離が 2023 年の「Magnificent 7 相場」を彷彿させる。
セクター 50 日線超は 5/11 本 (定点観測で 🟡) で、11 セクター中 6 セクターが 50 日線を下回っている。CNN Fear & Greed は 31 (Fear 圏) と、指数の最高値更新にもかかわらずセンチメントが冷え込んでいる。
これは「大型テック以外は参加できていない」ことの反映。
📚 用語: マーケットブレッドス (Market Breadth) とは 指数の上昇が「幅広い銘柄で起きているか、一部に集中しているか」を測る指標群。騰落線 (Advance-Decline Line)、50 日線超え銘柄数、等加重指数 vs 時価総額加重指数の比較などがある。ブレッドスが広い上昇は持続性が高く、狭い上昇は「少数銘柄の失速で急落」のリスクを孕む。
テーマ 2: Alphabet の Dow 入りが象徴する「Big Tech 寡占」
Dow に Big Tech が 5 社 (AAPL / AMZN / MSFT / NVDA / GOOGL) 揃った。130 年の歴史で初めて、テクノロジーが指数の最大セクターとなる。
Dow は株価加重なので NVDA ($2,700 台) が圧倒的最大ウェイト、次いで AMZN・MSFT。GOOGL の組入れでテック合計ウェイトは約 30% に達し、パッシブ資金 (Dow 連動 ETF の DIA、AUM 約 $38B) のフローがテックに集中する構造を強化する。
逆にテック・セクターが調整すれば、Dow の下落率が従来より大きくなる両刃の剣でもある。
🎯 要点: Dow が「テック指数化」すると、DIA への資金流入がそのままテックの買い圧力に変わる。 逆のリスクにも留意。
テーマ 3: Q2 決算シーズン入り — EPS +23% で「切り上がる推定」という異例
Q2 2026 の S&P 500 推定 EPS 成長率は +23.1% (FactSet 6/26 時点)。通常は決算シーズン入りにかけて推定が切り下がるが、今回は 3 月末の +18.8% から 上方修正された異例のパターン。
Micron の大幅サプライズ ($25.11 vs $20.86 予想) が指数全体を押し上げた。ガイダンスもポジティブ 63 社 vs ネガティブ 48 社と、企業側が強気。フォワード 12M P/E は 20.1 で 5 年平均 (19.9)・10 年平均 (18.9) を上回る割高域だが、EPS が実際に +23% で着地すれば正当化される水準。
銀行 (JPM / WFC / Citi) が 7/14 から本格開幕。Q2 決算シーズンの立ち上がりが Q3 以降の相場の方向を決める。
🎯 要点: EPS 推定が「切り上がって」シーズン入りするのは珍しい強気シグナル。 ただし P/E 20 超はミスへの耐性が低い。ビート/ミスの市場反応パターンに注意。
テーマ 4: Chicago PMI 56.7 — 製造業の「静かな減速」
6 月の Chicago PMI は 56.7 (前月 62.7、予想 61.0)。拡大圏 (50 超) は維持したが、-6.0pt の急低下はシグナルとして見逃せない。Dallas Fed 製造業指数も 0.0 (5 月 +0.4) とフラットに沈んだ。
ISM 製造業 (5 月は 54.0 で好調) の 6 月分が JST 7/1 (火) 23:00 に発表される。Chicago PMI の軟化は ISM の下振れリスクを示唆する。
製造業の減速は「金利高 + ドル高が実体経済に効き始めた」兆候の可能性があり、サービス業 (ISM Services 54.5) との乖離が広がるかが焦点。
🎯 要点: 製造業の軟化は短期的には「利下げ期待の復活 → 株にプラス」と読めるが、長期的には企業収益の減速リスク。 ISM 製造業が 50 を割るかどうかが次の分水嶺。
3. 注目銘柄 — 深掘り 3 社 (操作命令ではなく理解中心)
🎯 要点: 3 社とも「AI インフラ」の文脈で買われたが、ドライバーは異なる。AMD = GPU 第二極、GOOGL = 指数パッシブ、INTC = 政策 + 物語。
3.1 AMD (Advanced Micro Devices) — AI インフラの「第二の柱」が急反発
📎 公式情報源: IR ページ ・ SEC EDGAR ・ 直近決算 PR ・ Seeking Alpha 決算
| 観点 | 詳細 |
|---|---|
| 何が起きたか | +7.7% ($577)。前週の -4.6% テック売りからの買い戻し |
| なぜ買われたか | Micron 好決算が「AI メモリ需要は構造的」と確認し、AI インフラ全体への再評価が波及 |
| 逆風リスク | バリュエーションは高水準。NVIDIA との GPU 性能差。対中輸出規制の強化リスク |
| 長期で見るべき指標 | (1) データセンター売上比率、(2) MI シリーズの出荷台数、(3) Xilinx (FPGA) のクロスセル進捗 |
| 短期で警戒すべきこと | Q2 決算 (7 月下旬予定) でガイダンスが高い期待に届くか |
長期投資家としての見方: AI インフラの NVIDIA 一極集中がリスクと見るなら、AMD は「第二の柱」として分散先の候補。ただしバリュエーションは「完璧な実行」を織り込んでおり、決算でのネガティブサプライズ耐性は低い。
3.2 GOOGL (Alphabet) — Dow 入りで新たなパッシブ買い需要
📎 公式情報源: IR ページ ・ SEC EDGAR ・ 直近決算 PR ・ Seeking Alpha 決算
| 観点 | 詳細 |
|---|---|
| 何が起きたか | Dow 組入れ初日に +3.7% ($350)。パッシブ資金の組入れ買いが集中 |
| なぜ重要か | DIA (Dow 連動 ETF) の AUM 約 $38B。GOOGL の株価加重ウェイト (~3%) で約 $1.1B の組入れ買い需要 |
| 逆風リスク | 司法省の独禁法訴訟 (検索独占)。AI 検索による広告モデルの構造変化リスク |
| 長期で見るべき指標 | (1) Google Cloud 売上成長率、(2) AI Overviews の広告収益化、(3) YouTube 広告 ARPU |
| 短期で警戒すべきこと | Dow 入り後の「組入れ買い一巡」効果。過去の新規組入れ銘柄は初日以降の上値余地は限定的 |
長期投資家としての見方: Dow 入りは構造的なパッシブ買いのフロア (底支え) を提供する。ただし Alphabet の真価は検索 → AI への転換成功にかかっており、Q2 決算 (7 月下旬) での Cloud + AI 進捗が本質的。
3.3 INTC (Intel) — YTD +277% の「復活劇」は本物か
📎 公式情報源: IR ページ ・ SEC EDGAR ・ 直近決算 PR ・ Seeking Alpha 決算
| 観点 | 詳細 |
|---|---|
| 何が起きたか | +7.0% ($141)。YTD +277% で半導体セクター最高のリターン |
| なぜ買われたか | Intel 18A プロセスの外部受注期待 + CHIPS Act 補助金の本格化 + AI PC 向けチップ需要 |
| 逆風リスク | アナリスト・コンセンサス目標株価 $96 は現在値を大きく下回る。ファウンドリ事業はまだ赤字 |
| 長期で見るべき指標 | (1) ファウンドリ外部受注の進捗、(2) 18A プロセスの歩留まり、(3) データセンター GPU (Gaudi) のシェア |
| 短期で警戒すべきこと | 目標株価 $96 vs 現在 $141 の乖離。YTD +277% の過熱感が決算で試される |
長期投資家としての見方: Intel の「復活物語」は CHIPS Act の政策サポートと AI PC サイクルが追い風だが、$141 はストーリーの完成を先取りした価格。ファウンドリの黒字化が確認されるまでは「物語 vs 現実」のギャップリスクが大きい。
4. 今週の経済カレンダー — それぞれがなぜ重要か
🎯 要点: 今週は ISM 製造業 (JST 7/1 火) → ADP + NFP (JST 7/2 木) の連弾。NFP が最大の山場で、発表後 3.5 時間で早期引け。
| JST 日付 / 時刻 | イベント | 重要度 | 解釈 / 公式情報源 |
|---|---|---|---|
| JST 7/1 (火) 23:00 | ISM 製造業 (6 月) | ★★★★ | 予想 53.7 (前回 54.0)。Chicago PMI 56.7 割れが下振れの前兆。ISM 公式 |
| JST 7/1 (火) 23:00 | JOLTS 求人件数 (5 月) | ★★★ | 予想 736 万 (前回 761 万)。労働需給の先行指標。BLS JOLTS |
| JST 7/2 (木) 21:15 | ADP 民間雇用 (6 月) | ★★★ | 予想 +12.0 万 (前回 +12.2 万)。NFP の 15 分前に出る前哨戦。ADP |
| JST 7/2 (木) 21:30 | 6 月米雇用統計 (NFP) | ★★★★★ | 今週最大の山場。予想 +11〜11.5 万・失業率 4.3%。5 月は +172k の大ビートで利下げ観測消滅。BLS |
| JST 7/2 (木) | US 13:00 ET 早期引け | ★ | NFP 発表後わずか 3.5 時間で引け。薄商いで初動が過剰に振れやすい |
| JST 7/3 (金) | 米国市場休場 (独立記念日振替) | — | 7/4 (土) が本祝日のため前日金曜が振替休場。3 連休 |
📚 用語: なぜ NFP が「市場を動かす王様」なのか 米雇用統計 (NFP) は毎月第 1 金曜 (今月は祝日前倒しで木曜 7/2) に発表される米労働省の雇用統計。Fed の金融政策は「雇用の最大化」と「物価の安定」の二重責務 (デュアル・マンデート) に基づくため、NFP は利上げ / 利下げの判断に直結する。5 月の +172k (予想の倍超) は「労働市場は壊れていない」と証明し、年内利下げ観測を消滅させた。
5. 今週の法案ウォッチ
🎯 要点: CHIPS Act 第 2 弾と対中規制強化が半導体の両面リスク。薬価交渉拡大はヘルスケアの下押し要因。
| 法案 | ステータス | 次の山場 | 影響セクター・銘柄 | 株価への向き |
|---|---|---|---|---|
| CHIPS Act 第 2 弾 (追加補助金 $20B 案) | 上院商務委員会で審議中 | 7 月中の委員会採決 | INTC / GFS / TXN | 🟢 |
| AI 規制枠組み法案 (Schumer-Rounds) | 両院で調整中 | H2 2026 に本会議 | NVDA / MSFT / GOOGL | 🟡 |
| 薬価交渉拡大法案 (IRA 拡張) | 下院エネルギー商務委 | 7-8 月の mark-up | UNH / LLY / PFE | 🔴 |
| 対中半導体輸出規制強化 (Entity List 拡大) | 商務省 BIS 規則案 | パブコメ期限 7 月下旬 | NVDA / AMD / LRCX | 🔴 |
| 連邦債務上限 (2025 年停止期限切れ後) | 両党で協議中 | 秋の予算審議 | 国債 / 金融全般 | 🟡 |
| エネルギー許認可改革法案 | 上院エネルギー委 | 7 月採決目標 | XOM / NEE / VST | 🟢 |
6. 来週への布石
🎯 要点: 来週は FOMC 議事要旨 (6 月分、Warsh タカ派ピボットの内部力学) と Delta 決算 (Q2 シーズンの号砲) が焦点。
| JST 日付 | イベント | 重要度 |
|---|---|---|
| JST 7/7 (月) or 7/8 (火) | ISM 非製造業 (6 月) | ★★★★ |
| JST 7/9 (水) 03:00 | FOMC 議事要旨 (6 月分) | ★★★★★ |
| JST 7/10 (木) 21:30 | 新規失業保険申請件数 | ★★ |
| JST 7/11 (金) 寄り前 BMO | Delta (DAL) Q2 決算 | ★★★★ |
| JST 7/14 (月) 以降 | 大型銀行決算 (JPM / WFC / Citi) | ★★★★★ |
📚 季節性・アノマリー: 7 月は歴史的に「独立記念日ラリー」が観測されやすい月。1950-2025 年の S&P 500 の 7 月平均リターンは +1.2% で、特に上半期が好調だった年の 7 月は +2.0% 超の傾向がある。ただしアノマリーは「傾き」であって毎回当たらない。今年は NFP + ISM のマクロデータと Q2 決算シーズン開幕が方向を決める。
7. 今日の学び — 長期投資家として覚えておくべきこと
用語 / 概念
- ウィンドウドレッシング (Window Dressing) — 四半期末にファンドが「持っていたかった銘柄」を駆け込み買いする行動。Q2 最終日の半導体急騰の一因
- 株価加重指数 (Price-Weighted Index) — Dow のように株価の高い銘柄ほどウェイトが大きい指数。GOOGL ($350) の組入れと VZ ($42) の除外で、テックの指数影響度が上がった
- 年金リバランス (Pension Rebalancing) — 四半期末に年金基金が「株が上がりすぎた分を売り、債券を買い戻す」機械的なフロー。JPMorgan 推計 $165B は過去 4 年で最大
パターン / 経験則 (1 つ)
- 「四半期末リバランスの売り圧力は翌週初に解消される」 (2010-2025 年の四半期末パターン): 機械的な売りが集中する最終 2 営業日の後、翌週前半に自律反発が観測される。これはファンダメンタルズの変化ではなく制度的フロー。「なぜ下がったか」を問い、機械的売りなら数日後に元に戻る傾向がある
監視指標の閾値表
| 指標 | 現在値 | 警戒水域 | 含意 |
|---|---|---|---|
| VIX | 16.45 | > 20 で警戒、> 25 で守備 | 低位安定。テック反発と整合 |
| 10Y Yield | 4.42% | > 4.80% で株売り加速 | NFP 次第で上昇リスク |
| Fear & Greed | 31 | < 25 で極度の恐怖 | 指数最高値なのに Fear 圏は乖離シグナル |
| USD/JPY | 162.60 | > 163 で介入リスク急上昇 | JST 7/2 (木) NFP 上振れなら 165 接近の可能性 |
| HYG (HY ETF) | +0.03% (20 日) | 3 日連続下落で防衛 | クレジットは安定 |
8. 定点観測 12 指標 (継続観察)
| 指標 | 値 | 前日 | 閾値 (注意/警戒) | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| VIX | 16.45 | 17.65 | 20 / 28 | 🟢 |
| VIX ターム構造 (VIX÷VIX3M) | 0.915 | 0.929 | >0.95 / >1.0 (バックワーデーション) | 🟢 |
| MOVE (債券版 VIX) | 66.79 | 67.10 | 110 / 130 | 🟢 |
| SKEW (テール リスク) | 149.60 | 144.46 | 145 / 155 | 🟡 |
| Put-Call OI 比 (SPY+QQQ) | — | — | >1.2 (弱気) / <0.7 (楽観過熱) | — |
| HYG÷LQD 20 日変化 | +0.03% | -0.68% | −1.0% / −3.0% | 🟢 |
| セクター ETF 50 日線超本数 (11 本中) | 5 | 7 | <6 / <4 | 🟡 |
| CNN Fear & Greed | 31.3 | 31.2 | <25 (恐怖) / >75 (強欲) | 🟡 |
| DXY 20 日変化 | +2.13% | +2.01% | +2% / +4% | 🟡 |
| 10Y−3M スプレッド (bp) | 7.09 | 7.12 | <0 (逆転) / <−50 | 🟡 |
| 銅金比 20 日変化 | +4.33% | +5.59% | −3% / −6% | 🟢 |
| BTC-SPY 30 日相関 | 0.42 | 0.46 | <0.0 (逆相関) / >0.8 (過熱同期) | 🟢 |
🟢 6 個・🟡 5 個・🔴 0 個。全体としてリスクオン寄りだが、SKEW 149.6 (テールヘッジ需要↑) と Fear & Greed 31 (Fear 圏) の乖離が「指数は高いのにセンチメントは冷えている」ことを示す。DXY +2.13% も注意ゾーン入り。
9. リスク管理 — 個人投資家向け原則
⚠️ 注記: 今週は NFP (JST 7/2 木 21:30) + 独立記念日 3 連休で薄商い期間に入る。ポジション追加は NFP 通過後に検討が原則。
- 半導体の +7% 急反発に飛び乗らない — ウィンドウドレッシングと年金リバランス後の自律反発が混在。NFP 前にポジションを拡大すると、上振れ時の金利急騰で再度売られるリスク
- NFP 前にレバレッジを増やさない — 5 月 NFP (+172k) は予想の倍超で NASDAQ -4.18%。6 月も上振れなら再現の可能性。祝日前の薄商いが振幅を増幅する
- USD/JPY 162.60 で為替ヘッジを確認 — 円建てポートフォリオは 162 超で円安恩恵が大きいが、介入による急反転にも備える
- Fear & Greed 31 を「安全」と誤読しない — 指数が最高値なのに Fear 圏は、大型テック以外が弱いことの反映
10. データソース・引用
引用 URL (カテゴリ別)
- US 6/30 (月) 市況: TheStreet Market Recap / FXStreet Q2 Wrap
- 半導体セクター: 247 Wall St — Intel, AMD +7% / Intellectia Chip Rebound
- Alphabet Dow 入り: CNBC — Alphabet added to DJIA / Motley Fool — Dow changes / Benzinga — GOOGL +3%
- 年金リバランス: Yahoo Finance — JPMorgan $165B / 247 Wall St — $30B pension selling
- Chicago PMI: Trading Economics — Chicago PMI
- FactSet 集計 (Q2): FactSet — Industry Analysts Project +21% Price Increase (6/26) / LSEG S&P 500 Earnings Dashboard (6/26)
- Nike 決算: CNBC — Nike Q4 results (6/30 AMC)
- マクロ・経済指標: BLS — NFP / ISM — Manufacturing PMI / CME FedWatch
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本記事は情報提供のみを目的としています。投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。記載の数値は取得時点のもので、市場開閉や訂正により変動します。投資判断はご自身の責任で行ってください。本記事の見解は執筆者個人のもので、所属組織の見解を代表するものではありません。