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Bull Note米国株 デイリー戦略ノート

EARNINGS · Q2 FY26

強気
AMZNAmazon·2026年7月30日(木) AMC11

AMZN Q2 FY26 — AWS が +36.7% と18四半期ぶり最速、利益率 39.4% (+650bp)。CapEx を $220B へ増額しても +15.32% と2012年以来最大の上昇

Amazon の 2026年 Q2 (4-6月期) は売上 $200.6B (+20% YoY)・調整後 EPS $1.97 (コンセンサス $1.82) のクリーンな上振れ。主役は AWS で、売上 $42.2B・成長率 +36.7% は18四半期ぶりの最速かつ5四半期連続の加速、営業利益率は 39.4% と前年比 +650bp 改善した。AWS だけで全社営業利益の約6割を稼ぐ構造になり、受注残 (backlog) は $496B。注目の設備投資 (CapEx) は通期 $200B から約 $220B へ引き上げられたが、株価は翌 US 7/31 (金) に +15.32% ($271.58) と2012年以来最大の単日上昇で応えた。同じ7月に Alphabet と Meta が CapEx 増額で売られたのと正反対の反応で、市場の評価軸が『CapEx の絶対額』から『投資を収益に変換する効率』へ移ったことを示す決算になった。ただし TTM のフリーキャッシュフローは -$7.6B とマイナス転落しており、変換効率の証明が止まった瞬間に評価が反転するリスクは残る。

AWS が +36.7% と18四半期ぶり最速、営業利益率 39.4% (+650bp) で全社営業利益の6割を稼ぐ構造に。CapEx を $220B へ増額しても +15.32% と2012年以来最大の上昇 — 市場の評価軸が『CapEx の額』から『収益への変換効率』へ移った決算。

数字サマリ

EPS

$1.97コンセンサス $1.82上振れ

REVENUE

$200.60Bコンセンサス $196.50B上振れ

EPS

コンセンサス
$1.82
実績
$1.97
上振れ

売上

コンセンサス
$196.50B
実績
$200.60B
上振れ
バー長はコンセンサス予想と実績の大きさに比例。緑=上振れ、赤=下振れ。

四半期推移

EPS 実績
$1.97Q1 FY26Q2 FY26
AMZN の決算 EPS 実績の推移。
売上 実績
$200.60BQ1 FY26Q2 FY26
AMZN の決算 売上実績の推移。

主要 KPI

AWS 売上

$42.2B

+36.7% YoY

18四半期ぶりの最速成長・5四半期連続の加速。コンセンサス約 +31% を大きく超過

AWS 営業利益率

39.4%

+650bp YoY

営業利益 $16.6B。全社営業利益の約6割を AWS 単独で稼ぐ構造

AWS 受注残 (backlog)

$496B

契約済み未計上

将来売上の予約。+36.7% が一過性でないことの先行指標

北米セグメント

$116.2B

+16% YoY / 利益率 7.9%

小売本業も増収増益。AWS 依存の一本足ではない

広告 売上

$19.8B

+26% YoY

高利益率の第3の柱。小売とクラウドの間を埋める

全社営業利益

$27.5B

+43% YoY / 利益率 13.7%

前年 11.4% から改善。増収を上回る増益

TTM フリーキャッシュフロー

-$7.6B

前年 +$18.2B

CapEx TTM $169.0B (+64%) が主因。本決算で最大の弱点

ガイダンス

項目判定補足
Q3 売上$197-202B (+9〜12%)コンセンサス並みコンセンサス近辺
Q3 営業利益$22.5-26.5Bコンセンサス超え前年同期 $17.4B から大幅増益ガイド
2026年 通期 CapEx約 $220B上方修正従来 $200B から増額。理由は『メモリ価格高騰』と Jassy が明言。大半が AWS 向け

株価反応

引け値

$235.50

時間外

$255.00

+8.30%

公式情報源

1 行サマリ

ナラティブ パターン: クリーンに上振れ + 評価軸の転換。 Amazon の 2026年 Q2 (4-6月期) は売上 $200.6B (+20% YoY)・調整後 EPS $1.97 (コンセンサス $1.82) の明確な上振れ。主役は AWS で、売上 $42.2B・成長率 +36.7% は18四半期ぶりの最速、しかも5四半期連続の加速だ。営業利益率は 39.4% と前年比 +650bp 改善し、AWS 単独で全社営業利益の約6割を稼ぐ構造になった。

株価は翌 US 7/31 (金) に +15.32% ($271.58) と2012年以来最大の単日上昇。設備投資 (CapEx) を通期 $200B から約 $220B へ引き上げた直後にこの反応だったことが、本決算の最大の意味を持つ。

🎯 要点: 7月の相場は「CapEx を増やした企業は売られる」で貫かれていた。その最終週に Amazon は CapEx を増額して +15% 買われた。 変わったのは CapEx の額ではなく、市場が見る場所 — 「いくら投じるか」から「投じた分がどれだけ収益に変わっているか」 へ評価軸が移った。

総合判断: 強気 (bullish)。ただし TTM のフリーキャッシュフロー (FCF) が -$7.6B とマイナス転落している点は、強気の物語が崩れる場所として押さえておく必要がある。

数字の中身

EPS / 売上

  • 売上 $200.6B (+20% YoY)。コンセンサス約 $196〜197B を上回る
  • 調整後 EPS $1.97 (コンセンサス $1.82、+8% 上振れ)
  • 全社営業利益 $27.5B (+43% YoY)、営業利益率 13.7% (前年 11.4%)

⚠️ 注記: GAAP の EPS $5.75 をそのまま使ってはいけない。 この数字には Anthropic への投資評価益 $53.4B という一過性の非現金項目が含まれている。事業の実力を示すのは調整後の $1.97 のほうで、コンセンサス $1.82 と比較すべきもこちらだ。GAAP EPS $5.75 と予想 $1.81 を並べて「3倍の大幅上振れ」と報じる記事もあるが、中身は評価益であって稼いだ現金ではない

セグメント別 — AWS が利益のエンジン、小売も増益

セグメント売上YoY営業利益率
AWS$42.2B+36.7%39.4% (前年比 +650bp)
北米$116.2B+16%7.9%
国際$42.2B+15%4.1%
(内数) 広告$19.8B+26%

AWS の営業利益 $16.6B は全社 $27.5B の約 6割にあたる。売上構成では全体の 21% にすぎない事業が、利益の 60% を生んでいるという強烈な非対称がここにある。

そして見落とされがちなのが北米セグメントで、こちらも +16% 増収・利益率 7.9% と着実に改善している。AWS 一本足ではなく、小売本業と広告 (+26%) が同時に効いていることが、今回の評価を押し上げた土台だ。

📚 用語: 受注残 (Backlog / RPO) とは すでに契約を結んだが、まだ売上として計上していない金額のこと。クラウド事業では複数年契約が中心のため、この受注残が「今後何年ぶんの売上が確定しているか」を示す先行指標になる。AWS の $496B という水準は、直近四半期売上 $42.2B の約12倍にあたる。四半期ごとの成長率は需要の波で上下するが、受注残が積み上がっている間は、成長の減速が需要消失ではなく供給 (データセンター建設) の制約であることが多い

なぜ CapEx を増やしたのに買われたのか — 7月の分岐点

🎯 要点: 同じ「CapEx 増額」でも、投資が収益に変換されている証拠を数字で出せた企業だけが報われた。

2026年7月の決算シーズンは、ハイパースケーラー4社が同じ論点で裁かれ、真っ二つに割れた。

企業発表CapEx収益への変換の証拠株価反応
Alphabet7/22$195-205B へ増額クラウド +82% と好調だが FCF が上場来初のマイナス単日 -$294B (過去最大の時価総額消失)
Meta7/29$130-145B へ増額本業が減益・EPS 13.8% ミス・FCF $784M へ激減翌 7/30 に -7.95%
Microsoft7/29高止まり ($50B 超/四半期)Azure が 40% → 43% へ再加速、翌 Q に 45% ガイド翌 7/30 に +15.51%
Amazon7/30$200B → $220B へ増額AWS +36.7% (18四半期ぶり最速) + 利益率 +650bp翌 7/31 に +15.32%

CapEx の絶対額で並べれば Amazon の $220B が最大だ。それでも最も買われた。分岐したのは「投じた資本が、いつ・どれだけの利益に変わっているか」を示せたかどうかだった。Amazon は成長率の加速 (+36.7%) と利益率の改善 (+650bp) を同時に出した唯一の企業で、これは「規模を追って利益を削っている」のではなく「規模と収益性が両立している」ことの直接的な証拠になる。

Andy Jassy CEO は CapEx 増額の理由をメモリ価格の高騰と明言している。これは同じ日に決算を出した Apple がガイダンスを下げた理由とまったく同じ原因だ。

🎯 要点: 同じメモリ高騰が、Apple には「コスト増 → 減速」として、Amazon には「需要が強すぎる証拠 → 投資拡大」として作用した。 部材を買って製品を売る企業と、部材を買って容量を貸す企業では、同じ価格上昇の意味が正反対になる。

Jassy はさらに需要の強さについてこう述べている。

  • その金額 ($220B) を投じてもなお、2026〜27年の需要を満たす容量には足りない
  • 2028年ぶんの需要見通しは「striking (際立っている)」
  • AWS は将来的に「兆ドル規模 (trillion-dollar) の事業になり得る

受注残 $496B という数字が、この発言に裏づけを与えている。

最大の弱点 — フリーキャッシュフローのマイナス転落

強気材料が並ぶ中で、本決算の弱点は明確にひとつある。

  • TTM (直近12か月) フリーキャッシュフロー: -$7.6B (前年同期は +$18.2B)
  • TTM CapEx: $169.0B (+64% YoY)

営業キャッシュフローは伸びているが、設備投資の増加速度がそれを上回り、手元に残る現金がマイナスに転じた。Benchmark は目標株価を引き上げつつ「現金を燃やしており、資金計画が不透明」と警告している。

📚 用語: フリーキャッシュフロー (FCF) とは 営業活動で稼いだ現金から設備投資を差し引いた、企業が自由に使える現金。配当・自社株買い・買収・借入返済の原資になる。利益 (会計上の数字) と違い、FCF は現金の実額なので操作の余地が小さい。成長投資期に一時的にマイナスになること自体は珍しくないが、マイナスが長期化すると外部資金 (社債発行) に依存することになり、金利上昇局面ではコストが跳ね上がる。7月に Alphabet が FCF の初マイナスで売られたのと同じ論点が、Amazon にも存在している。

ここが強気シナリオの分岐点になる。今回は「AWS の加速 + 利益率改善」が FCF のマイナスを上回る材料として評価された。だが AWS の成長率が減速に転じた四半期に、同じ FCF マイナスがあれば、市場は Alphabet に対したのと同じ反応をする可能性が高い。

株価反応とアナリストの読み筋

  • 決算日 US 7/30 (木) 終値: $235.50 (+3.90%)
  • 時間外: +7〜9%
  • 翌 US 7/31 (金) 終値: $271.58 (+15.32%)2012年以来最大の単日上昇

この日 Amazon 単独でダウを約 208pt 押し上げた。同じ日に Apple が約 188pt 押し下げたため綱引きとなり、ダウは +276.97pt (+0.53%) で着地している。

アナリストは12社超が目標株価を引き上げた。

ハウス目標株価動き
Benchmark$400 (←$370)引き上げ (ただし FCF に警告を併記)
JPMorgan$365 (←$330)引き上げ

Microsoft・Alphabet と合わせ、この週だけで3社の時価総額が合計約 $1.5 兆積み上がった計算になる。

立場別の考え方

立場考え方
未保有+15% の急騰直後で、短期の過熱は否めない。追うなら Q3 (JST 10月下旬) で AWS が +36.7% の成長率を維持できるかを確認してからでも遅くない。逆に言えば、その1点さえ崩れなければ強気の物語は続く
含み益中核保有を続ける根拠が今回はっきりした。監視すべきは株価ではなく AWS 成長率と FCF の2つ。成長率が鈍化しながら CapEx が高止まりする組み合わせが出たときが、物語の転換点になる
含み損すでに解消しているはずの水準だが、もし残っているなら事業の実態はむしろ改善している。ただし +15% 直後の水準で追加投資するのは過熱リスクを取る行為であることは意識しておく

次の四半期 (Q3) で確認すべき 5 つの KPI

  1. AWS 成長率が +36.7% を維持できるか — 5四半期連続の加速が続くか、ピークアウトするか
  2. AWS 営業利益率が 39.4% を保てるか — CapEx の減価償却が本格化すると利益率は下がる方向に働く
  3. TTM FCF がマイナスからどこまで戻るか — 悪化継続なら Alphabet と同じ論点で売られるリスク
  4. CapEx $220B ガイドがさらに増額されるか — 増額の理由が「需要」なら好材料、「コスト」なら警戒
  5. 広告 +26% と北米利益率 7.9% の持続性 — AWS 以外の柱が弱れば、AWS 一本足のリスクが再浮上する

データソース・引用

免責

本記事は情報提供のみを目的としています。投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。記載の数値は取得時点のもので、市場開閉や訂正により変動します。投資判断はご自身の責任で行ってください。本記事の見解は執筆者個人のもので、所属組織の見解を代表するものではありません。

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