Bull Note米国株 デイリー戦略ノート

STOCK · CCJ

強気広い (競争優位は持続的)
CCJCameco Corporationエネルギー (Energy)15

CCJ (Cameco) — どの炉が勝っても恩恵を受ける上流『つるはし売り』+ Westinghouse 総合プレイ vs. PER 105 倍

Cameco は世界最大級のウラン採掘企業 (カナダ) に燃料転換と Westinghouse 49%出資を加えた、原子力ルネサンスの『上流つるはし売り + 総合プレイ』。どの炉型 (大型・SMR) が勝っても燃料は必ず要るため、勝者を選ばずにテーマ全体を買える最も分散の効いたポジション。黒字かつ純現金で、SMR プレレベニュー勢 (OKLO/NuScale) とは収益実態も時間軸も根本的に異なる。だが PER 105 倍・EV/EBITDA 76 倍という高倍率はウラン価格の構造的上昇継続を相当織り込んでおり、スポット価格の軟化局面と相まって調整リスクを抱える。総合判定は強気寄り。

世界最大級のウラン採掘 + 転換 + Westinghouse 49%出資の総合プレイ。どの炉型が勝っても燃料は要るため勝者を選ばずテーマ全体を買える分散ポジションで黒字・純現金。だが PER 105 倍はウラン価格の構造的上昇を相当織り込み、スポット軟化局面で調整リスク。総合は強気寄り、見立て 4 本で検証。

スナップショット

2026-06-01 時点

株価

$112.59

時価総額

$49.0B

52 週レンジ

$58.18 $135.24

バリュエーション

指標比較補足
PER (TTM)105.3 倍実績ベースは割高stockanalysis 6/1 時点。ウラン価格上昇・Westinghouse 寄与の織り込みで実績益に対し高い。フォワードは 80.7 倍へ低下
フォワード PER80.7 倍成長前提でも依然高水準stockanalysis 6/1。CEG (約 26 倍)・VST (約 18 倍) の既存原子力より大幅に高い。利益成長の継続が前提
EV/EBITDA76.5 倍上流資源としては極端stockanalysis 6/1。TTM EBITDA 約 6.4億ドル (USD) に対し EV 約 490億ドル。Westinghouse の純利益寄与が小さく時価総額が膨らみ倍率が突出
PSR (株価売上倍率)19.4 倍資源株として異例stockanalysis 6/1。売上 TTM 約 25.3億ドル (USD) に対し時価総額約 490億ドル。ウラン価格の構造的上昇への期待が織り込まれている
PBR (株価純資産倍率)9.7 倍簿価対比でプレミアムstockanalysis 6/1。鉱山資産・Westinghouse 持分の簿価を大きく上回る。資源の希少性・再稼働サイクルへの期待
配当利回り0.15%ほぼゼロstockanalysis 6/1。成長再投資・新坑開発・Westinghouse 統合を優先し配当は名目的。インカム目的の銘柄ではない

競合との比較フォワード PER / EV-EBITDA / 時価総額 (2026年5-6月時点)

企業自社との対比補足
LEUCentrus Energyフォワード PER 約 74 倍 / 時価総額 約 37億ドル上流『つるはし』の濃縮側HALEU 濃縮で SMR 燃料の上流を握る。CCJ が天然ウラン+転換、LEU が濃縮と棲み分け。SMR 量産時は補完関係。規模は CCJ の 1/14
CEGConstellation Energyフォワード PER 約 26 倍 / EV/EBITDA 約 13 倍 / 時価総額 約 960億ドル既存原子力『いま稼ぐ』層既存稼働炉でデータセンターと PPA を締結する発電側。CCJ の燃料を消費する『顧客サイド』。倍率は CCJ より大幅に低い
VSTVistraフォワード PER 約 18 倍 / EV/EBITDA 約 10 倍 / 時価総額 約 522億ドル発電・原子力『いま稼ぐ』層原子力+ガスの発電。CEG 同様、燃料を買う側で CCJ とはバリューチェーン上の位置が逆。最も割安な倍率
SMRNuScale Powerプレレベニュー (PER 算出不能)SMR『数年先』層SMR 認証・受注に賭けるプレレベニュー。CCJ とは時間軸・収益実態が真逆。CCJ は SMR の成否に依存せず燃料で稼ぐ

ファンダメンタルズ

総売上 (Q1 2026)

C$845M

+7% YoY

ウラン販売量増・実現価格改善・Inkai/Westinghouse の持分利益増。投資家向け開示は加 (CAD) ベース

調整後純利益 (Q1 2026)

C$203M

約 3 倍

実現価格上昇と販売数量増で大幅改善。報告純利益は C$131M (+87% YoY)

調整後 EBITDA (Q1 2026)

C$509M

+44% YoY

ウラン C$423M (+48%)・燃料転換 C$54M (-28%)・Westinghouse 持分 C$122M (+33%)

ウラン部門売上 (Q1 2026)

C$712M

+15% YoY

主力部門。総売上の約 84%。実現価格 US$66.21/lb・スポット US$84.25/lb (四半期末)

FY2025 調整後 EBITDA

C$1.9B

約 +4億ドル

ウラン価格環境の改善と Westinghouse の Dukovany 建設プロジェクト寄与。実力値の年間ベースライン

Westinghouse 持分 (FY2025)

純利益 C$58M / EBITDA C$780M

黒字転換

Cameco 持分 49%。純利益は買収無形資産の償却 (非現金) に圧迫されるため、調整後 EBITDA と現金分配で実力を見る

純現金ポジション

約 C$100M

現金 C$1.1B・債務 C$1.0B・未使用枠 C$1.0B。黒字かつ財務健全で、SMR プレレベニュー勢 (OKLO) と決定的に異なる

強気材料 / 弱気材料

強気材料

  • テーマ全体を買える唯一無二の上流ポジション

    大型炉でも SMR でも、どの炉型が勝っても天然ウランと転換 (UF6) は必ず必要。『勝者を選ばずに原子力ルネサンス全体を買う』最も分散の効いた銘柄。さらに Westinghouse 49% で大型炉新設・サービスにも参加する総合プレイ。

  • 黒字 + 純現金で SMR プレレベニュー勢と一線

    Q1 2026 調整後純利益 C$203M (約 3 倍 YoY)、純現金約 C$100M。OKLO のような希薄化・現金燃焼リスクが無い。今日キャッシュを生みながらテーマを享受できる。

  • 長期契約ブック (contract book) が価格下落を緩衝

    2026-2030 にかけ年平均 28百万lb 超の販売コミットメント (2026-2028 は平均超)。スポット価格が一時的に軟化 (5月 US$85/lb 割れ) しても長期契約で実現価格が安定。Q1 実現価格 US$66.21/lb。

  • Westinghouse が黒字転換 + 巨大な新設パイプライン

    FY2025 持分純利益 C$58M (前年 C$218M 損から転換)、持分 EBITDA C$780M。米国で最大 20 基の AP1000 新設 (約 800億ドル規模の戦略パートナーシップ) と Dukovany 建設が成長ドライバー。

  • 西側の数少ない一貫プレイヤー (供給安全保障の追い風)

    ロシア依存からの脱却で西側 (カナダ・米国) の採掘+転換能力に戦略的プレミアム。データセンター電力需要の急増 (Meta/Microsoft の原子力契約) が長期ウラン需要を押し上げる。

弱気材料

  • バリュエーションがウラン上昇を相当織り込み済み

    PER 105 倍・EV/EBITDA 76 倍・PSR 19.4 倍 (6/1)。資源株として異例の高倍率で、ウラン価格の構造的上昇が継続しなければ正当化されない。CEG (26 倍)・VST (18 倍) と比べ大幅プレミアム。

  • ウランスポット価格は2026年に軟化局面

    2026年初の投機的ラリーが沈静化し5月末に US$85/lb 割れ (約 2 ヶ月ぶり安値)。電力会社のスポット買いが鈍い。価格が反落すれば長期実現価格にも遅れて波及する。

  • Westinghouse 純利益は買収無形資産の償却に圧迫

    持分純利益は purchase accounting の無形資産償却 (非現金) で恒常的に押し下げられる。Q1 2026 は持分純損 C$46M。報告 PER が見かけ上膨らむ一因で、実力は調整後 EBITDA・現金分配で見る必要がある。

  • 生産・地政学リスク (Inkai/カザフ依存)

    JV Inkai (カザフスタン) は生産停止の前例があり地政学・物流リスクを抱える。Cigar Lake/McArthur River も鉱山特有の操業リスク。生産ガイダンス未達は実現価格と数量の双方を毀損する。

  • Westinghouse 新設 EBITDA は契約成立前提の見通し

    Westinghouse の 2026 持分調整後 EBITDA 見通し (US$370-430M) は『署名済み+見込み契約』と『米政府との AP1000 確定合意・年内に少なくとも 1 件着工』を前提にしている。確定遅延は成長シナリオを後ずれさせる。

投資の見立てと「外れる条件」

各見立ては「何を予想しているか」だけでなく「何が起きたら外れか」をセットで明示する。下の「外れる条件」が満たされたら、その見立ては見直しが必要になる。

ウラン部門の調整後 EBITDA 成長が継続し、長期契約ブックが実現価格を支える

成立
反証条件
FY2026 ウラン部門調整後 EBITDA が前年比横ばい以下、または実現価格が US$60/lb を下回る四半期が出る
確認方法
2026 Q2-Q3 決算 (2026年7-11月)

Westinghouse が米国 AP1000 新設で確定合意に至り、持分 EBITDA が US$370-430M レンジを達成する

評価中
反証条件
2026年末までに米政府との AP1000 確定合意が成立せず、または着工が 1 件も始まらず持分 EBITDA が US$370M を下回る
確認方法
2026 Q4 決算 (2027年2月)

ウランスポット価格の軟化は一時的で、データセンター需要+供給制約で長期価格は US$90/lb 超を維持する

揺らぎ
反証条件
TradeTech 長期価格指標が US$80/lb を下回る、またはスポットが US$70/lb を割り込む水準が四半期を通じて定着する
確認方法
2026 Q3 (2026年9-10月)

生産ガイダンス (持分 19.5-21.5百万lb) を達成し、Inkai 等の操業中断が再発しない

成立
反証条件
FY2026 ウラン生産が持分 19.5百万lb を下回る、または Inkai/Cigar Lake で四半期を超える生産停止が発生する
確認方法
2026 通期実績 (2027年2月)

リスク

リスク要因重大度補足
ウラン価格の反落 (スポット軟化)2026年5月に US$85/lb 割れ。投機ラリー沈静化と電力会社のスポット買い鈍化。高バリュエーションは価格上昇継続が前提のため反落で大きく毀損し得る
バリュエーション調整リスクPER 105 倍・EV/EBITDA 76 倍。テーマ過熱の巻き戻しや金利上昇で資源・原子力テーマ全体がデレーティングすれば、利益が伸びても株価が下落し得る
Westinghouse 新設の確定遅延AP1000 米国新設は政府との確定合意・着工が前提。遅延すれば持分 EBITDA 見通し (US$370-430M) と成長シナリオが後ずれ
生産・地政学リスク (Inkai/鉱山操業)JV Inkai はカザフ依存で生産停止の前例。Cigar Lake/McArthur River も鉱山特有のリスク。生産未達は数量と実現価格の双方に波及
規制・通商 (ウラン貿易の分断)ロシア産ウラン制裁は西側プレイヤーに追い風だが、報復的な輸出制限やカザフ・カナダの規制変更は供給網を揺らす両刃の剣

今後の注目イベント

イベント時期注目度補足
2026 Q2 決算2026年7-8月ウラン部門 EBITDA・実現価格・生産進捗とスポット軟化の影響を確認。通期ガイダンス維持/修正が焦点
Westinghouse AP1000 米国新設の確定合意2026年内約 800億ドル規模・最大 20 基のパイプライン。政府との確定合意・初着工は最大の成長カタリスト
ウラン長期価格指標 (TradeTech) の更新毎月末3月末に US$93/lb (18年ぶり高値)。長期価格の方向が実現価格・契約条件の先行指標
JV Inkai 生産再開・配分量の確定2026年通期過去の生産停止からの回復状況。配分量 (Cameco 40%) の確定が数量ガイダンスに直結
データセンター電力契約の進展継続的Meta/Microsoft 等の原子力契約が長期ウラン需要の織り込みを強化。新規 PPA・SMR 受注は上流需要を押し上げる

公式情報源

投資の見立て

Cameco (CCJ) は 世界最大級のウラン採掘企業 (カナダ) に燃料転換と Westinghouse 49%出資を加えた、原子力ルネサンスの「上流つるはし売り + 総合プレイ」 だ。どの炉型 (大型・SMR) が勝っても燃料は必ず要るため、勝者を選ばずにテーマ全体を買える最も分散の効いたポジションになる。黒字かつ純現金で、SMR プレレベニュー勢 (OKLO/NuScale) とは収益実態も時間軸も根本的に異なる。

ただし投資判断はそこで終わらない。PER 105 倍・EV/EBITDA 76 倍という高倍率は、ウラン価格の構造的上昇継続を相当織り込んでいる点に注意が要る。スポット価格は 2026年に軟化局面に入った。総合判定は強気寄り——テーマ全体への分散と黒字の実態は本物だが、高バリュエーションが価格上昇継続を前提にしている脆さを抱える。

📚 用語: つるはし売り (Picks and Shovels) — ゴールドラッシュで金を掘る人より、つるはしやシャベルを売る商人が確実に儲かったという逸話から。大型炉でも SMR でも、原子炉が動くには必ず天然ウランと燃料転換が要る。Cameco はその供給側に立つため、特定の炉や発電会社の勝敗に賭けず、原子力ルネサンス全体の恩恵を受けられる。

会社概要 — 何で稼ぐか (ウラン採掘 + 転換 + Westinghouse の 3 本柱)

収益の柱は三つだ。(1) ウラン採掘・販売 (Q1 2026 売上 C$712M、総売上の約 84%) — Cigar Lake (54.5%)・McArthur River-Key Lake・JV Inkai (40%配分) の世界最大級ポートフォリオ。(2) 燃料転換・サービス (C$134M、約 16%) — 天然ウラン (U3O8) を UF6 に転換する西側で希少な能力。(3) Westinghouse 49%出資 (持分法) — AP1000 大型炉のサービス・燃料・新設で、連結売上には乗らず持分損益で反映される。

電力会社との 長期契約ブック (2026-2030 年平均 28百万lb 超) が実現価格をスポット変動から守る構造だ。CEG/VST が「燃料を買う発電側」なのに対し、CCJ は「燃料を売る上流」で、バリューチェーン上の位置が逆になる。

📚 用語: 燃料転換 (UF6 conversion) — 採掘した天然ウラン (U3O8) を六フッ化ウラン (UF6) に転換する工程。濃縮の前段階で、西側で能力を持つプレイヤーは少なく Cameco の競争優位の一つ。さらに濃縮 (HALEU 含む) は Centrus (LEU) が担い、CCJ の天然ウラン+転換と棲み分ける。

競争優位 (堀) の分析 — 「代替の効かない上流資産」はどこまで効くか (評価: 広い)

競争優位の出所は 3 点だ。(1) 西側で代替の効かない大規模ウラン鉱山資産と転換能力 (ロシア依存脱却の供給安全保障で戦略的プレミアム)、(2) 長期契約ブックによる価格の可視性、(3) Westinghouse 経由の燃料-サービス-新設の垂直統合。新規のウラン鉱山開発には探鉱から生産まで 10 年以上を要し、転換能力は西側に数社しかない——この希少性が「広い堀」を支える

最も脆い縁ウランスポット価格への感応度だ。価格が構造的に反落すれば長期契約の更新条件も遅れて悪化し、高バリュエーションの前提が崩れる。鉱山操業 (Inkai の生産停止前例) と地政学 (カザフ依存) も供給側の弱点になる。堀は「広い」が、収益のレバレッジが価格に効くぶん、株価のボラティリティは大きい。

競合相対 — 原子力バリューチェーンの位置取り

「上流だから安泰」で止めると、評価の前提が広がっているのか縮んでいるのかを見落とす。フォワード PER・EV/EBITDA・時価総額で横並びにすると、CCJ がバリューチェーンのどこに立つかが立体的に見える。

ティッカー企業フォワード PEREV/EBITDA時価総額 (概算)位置づけ
CCJCameco80.7 倍76.5 倍約 490億ドル上流つるはし (採掘+転換) + Westinghouse 総合
LEUCentrus約 74 倍31-89 倍約 37億ドル上流つるはし (濃縮)、規模は 1/14
CEGConstellation約 26 倍約 13 倍約 960億ドル既存原子力 (燃料を買う側)
VSTVistra約 18 倍約 10 倍約 522億ドル発電・原子力 (燃料を買う側)

読み筋はこうだ。CCJ のフォワード PER 80.7 倍は既存原子力の CEG (約 26 倍)・VST (約 18 倍) を大幅に上回る。これは CCJ が「価格レバレッジの効く上流資源 + テーマ全体への分散」であるのに対し、CEG/VST は規制された発電キャッシュフローという性質の違いを反映する。上流の同類では Centrus (LEU、濃縮、時価総額約 37億ドルで CCJ の 1/14) と棲み分け、SMR 量産化が進めば天然ウラン (CCJ) と濃縮 (LEU) の双方に需要が波及し補完関係になる。テーマ全体の方向は、データセンター電力需要 (Meta/Microsoft の原子力契約) を背景に上流に有利な構図が続いている

📚 用語: 持分法 (equity method) — 出資先の損益を持分比率で取り込む会計手法。CCJ は Westinghouse 49% 分を連結売上に乗せず持分損益で反映する。買収無形資産の償却 (非現金) が純利益を恒常的に圧迫するため、実力は調整後 EBITDA で見る。Q1 2026 は持分純損 C$46M だが、持分 EBITDA は黒字で現金分配も受けている。

ファンダメンタルズ — 報告 PER の膨らみを実力値と分けて読む

(基準日: 2026 Q1 決算、対象四半期末 2026/3/31。投資家向け開示は加 (CAD) ベース)

Q1 2026 は調整後純利益 C$203M (前年 C$70M から約 3 倍)、調整後 EBITDA C$509M (+44% YoY)、総売上 C$845M (+7%) と力強い。実力値の年間ベースラインは FY2025 調整後 EBITDA C$1.9B (前年比約 +4億ドル)。ウラン部門 EBITDA は C$423M (+48%) と牽引役で、実現価格 US$66.21/lb・四半期末スポット US$84.25/lb。

注意したいのは、Westinghouse の持分純利益は買収無形資産の償却 (非現金、purchase accounting) で恒常的に圧迫され、Q1 は持分純損 C$46M だった点だ。これが報告 PER を見かけ上膨らませる一因で、実力は持分調整後 EBITDA (FY2025 C$780M) と現金分配 (Q1 US$49M) で見るべきだ。純現金約 C$100M で財務は健全で、プレレベニュー SMR 勢の希薄化・現金燃焼とは対照的になる。

バリュエーション — 価格レバレッジの代償としての高倍率

(基準日: 2026/6/1 終値 $112.59、52週レンジ $58.18-135.24、時価総額 約 490億ドル、USD)

PER 105 倍・フォワード PER 80.7 倍・EV/EBITDA 76.5 倍・PSR 19.4 倍 (いずれも stockanalysis 6/1 基準、USD) は 資源株として異例の高水準だ。これはウラン価格の構造的上昇と Westinghouse 新設パイプラインの織り込みだが、利益成長が止まれば正当化が難しい

アナリスト平均目標株価は約 124-140ドル (現値 112.59ドル) で一定の上値余地を見込む向きが多いが、レンジは 82.6-175ドルと幅広く、テーマへの確信度の差が大きい。CEG/VST より大幅に高い倍率は、価格レバレッジの代償としてのボラティリティを示す。ウラン価格が上がれば利益は大きく伸びるが、下がれば倍率は一気に重く見える。割安・割高の議論より、ウラン価格と Westinghouse 新設の二択シナリオで読むのが実態に近い。

📚 用語: 長期契約ブック (contract book) — ウラン生産者が電力会社と結ぶ複数年の販売コミットメントの総量。スポット価格の変動から実現価格を守る緩衝材になる。CCJ は 2026-2030 に年平均 28百万lb 超を確保しており、スポットが一時的に軟化しても実現価格が急落しにくい。ただし契約更新時の条件は長期価格指標 (TradeTech) に遅れて連動する。

強気材料 / 弱気材料

強気の核は 「テーマ全体を買える唯一無二の上流ポジション + 黒字・純現金」 だ。大型炉でも SMR でも天然ウランと転換は必ず要るため、CCJ は勝者を選ばずに原子力ルネサンス全体を買える。Q1 2026 調整後純利益 C$203M・純現金約 C$100M で、OKLO のような希薄化リスクが無い。長期契約ブックが価格下落を緩衝し、Westinghouse の黒字転換と最大 20 基の AP1000 新設パイプラインが成長を上乗せする。

弱気の核は 「バリュエーションがウラン上昇を相当織り込み済み」 という点だ。PER 105 倍・EV/EBITDA 76 倍は、ウラン価格の構造的上昇が継続しなければ正当化されない。スポット価格は 2026年5月に US$85/lb を割り込み軟化局面にある。加えて Westinghouse 純利益は無形資産償却で圧迫され、新設 EBITDA は政府との確定合意が前提という不確実性を抱える。

投資の見立てと「外れる条件」

この記事の核は、CCJ を「上流だから盤石」ではなくウラン価格と Westinghouse 新設が前提どおり進むかで検証することだ。書き手は 4 本の見立てを取る (frontmatter の thesis がカード表示される)。

核は 「ウラン部門の調整後 EBITDA 成長が継続し、長期契約ブックが実現価格を支える」 という見立てだ。外れる条件は「FY2026 ウラン部門調整後 EBITDA が前年比横ばい以下、または実現価格が US$60/lb を下回る四半期が出る」こと。あわせて 「Westinghouse が米国 AP1000 新設で確定合意に至り持分 EBITDA が US$370-430M を達成」「ウランスポット軟化は一時的で長期価格は US$90/lb 超を維持」「生産ガイダンス (持分 19.5-21.5百万lb) を達成」 の 3 本を点検する。3 本目のウラン長期価格の見立ては、スポット軟化が進行中のため at-risk と評価する。

リスク

最大の構造リスクは ウラン価格の反落 (スポット軟化) だ。2026年5月に US$85/lb を割り込み、投機ラリーの沈静化と電力会社のスポット買い鈍化が重なった。高バリュエーションは価格上昇継続が前提のため、反落で大きく毀損し得る。これと表裏一体なのが バリュエーション調整リスク (PER 105 倍・EV/EBITDA 76 倍) で、テーマ全体のデレーティングが起きれば利益が伸びても株価が下がりうる。次いで Westinghouse 新設の確定遅延生産・地政学リスク (Inkai のカザフ依存)、規制・通商リスクが続く。

今後の注目イベント — 株価を動かす材料

まず 2026 Q2 決算 (2026年7-8月) でウラン部門 EBITDA・実現価格・生産進捗とスポット軟化の影響を確認する。次に Westinghouse AP1000 米国新設の確定合意 (2026年内) で、約 800億ドル規模・最大 20 基のパイプラインの政府との確定合意・初着工が最大の成長カタリストになる。ウラン長期価格指標 (TradeTech) の更新 (毎月末) は実現価格・契約条件の先行指標だ。あわせて JV Inkai 生産再開・配分量の確定 (2026年通期) と データセンター電力契約の進展 (継続的) が上流需要の織り込みを左右する。

立場別の視点

立場確認すべき条件 (売買命令ではない)
未保有ウランスポット・長期価格 (TradeTech) が US$90/lb 超を維持しているか。PER 105 倍を Westinghouse 新設の確定合意で埋められる見通しか
含み益ウラン部門 EBITDA が前年比成長を続けているか。報告 PER の膨らみ (無形資産償却) を実力と誤読していないか
含み損スポットが US$70/lb を割り込み定着していないか。Westinghouse AP1000 の確定合意が 2026年末までに成立しているか

長期で確認すべき指標 5 つ

見立てが生き続けるかを検証する KPI チェックリスト。上の「外れる条件」と対応づけてある。

  1. ウラン部門調整後 EBITDA と実現価格 — 前年比成長・実現価格 US$60/lb 超 (見立て 1)
  2. Westinghouse 持分 EBITDA と AP1000 確定合意 — US$370-430M 達成・年内着工 (見立て 2)
  3. ウラン長期価格指標 (TradeTech) — US$80/lb 超を維持できるか (見立て 3)
  4. ウラン生産量 (持分) — ガイダンス 19.5-21.5百万lb を達成するか (見立て 4)
  5. 長期契約ブックの積み上げ — 年平均 28百万lb 超のコミットメントが維持・更新されるか

出典

  1. Cameco Reports 2026 First Quarter Results (公式 IR)
  2. Cameco Q1 2026 6-K Earnings Release (SEC EDGAR)
  3. Cameco (NYSE: CCJ) Q1 2026 earnings jump on uranium and Westinghouse strength (StockTitan)
  4. Cameco Q1 2026 slides: uranium output on track, EPS beats forecast (Investing.com)
  5. Cameco (CCJ) Statistics & Valuation (StockAnalysis.com)
  6. Cameco (CCJ) Stock Overview (StockAnalysis.com)
  7. Cameco 40-F FY2025 Annual (SEC EDGAR)
  8. Cameco Q4/FY2025 6-K (SEC EDGAR)
  9. Westinghouse | Cameco (事業説明)
  10. Cameco Sees Path to 20 New US Large-Scale Reactors (ETF Trends)
  11. Uranium Price Update: Q1 2026 in Review (Investing News Network)
  12. Uranium - Price - Chart - Historical Data (Trading Economics)
  13. Cameco (CCJ) Stock Forecast & Price Target 2026 (MarketBeat)
  14. Constellation Energy (CEG) Statistics & Valuation (StockAnalysis.com)
  15. Centrus Energy (LEU) Stock Quote (Yahoo Finance)

本記事は情報提供のみを目的としています。投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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免責: 本記事は情報提供のみを目的としています。投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。 最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。