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Bull Note米国株 デイリー戦略ノート

DAILY · JP · 2026 / W23

2026/06/04 — 日本株: ブロードコム ショックで SBG が日経を 754 円押し下げ、東エレクは逆行高で「半導体の選別」鮮明

米ブロードコム決算の AI 半導体ガイダンス未達が東京に波及。ソフトバンクG が 1 銘柄で日経平均を約 754 円押し下げ、過去最高値からの 4 日ぶり反落。一方で東京エレクトロンは年初来高値を更新し、同じ半導体でも明暗が分かれた。日銀 6 月利上げ観測がもう一つの重しに。

執筆: kinjo13 分で読了中立

TL;DR

2026/06/04 の東京市場は日経平均が前日比 -931.44 円 (-1.36%) の 67,470.69 円と、初の 6 万 8000 円台 (過去最高値) から 4 日ぶりに反落。米ブロードコムの決算が「good な実績・物足りない AI ガイダンス」で時間外 -13.78% となり、AI 半導体関連に利益確定売りが波及。ソフトバンクG は -11.28% と急落し 1 銘柄で日経を約 754 円押し下げた。一方で東京エレクトロンは対中規制の日蘭適用除外観測を支えに +4.53% と逆行高で年初来高値を更新、「同じ半導体でも AI ファブレス/ASIC と製造装置で明暗」という選別が鮮明に。日銀 6 月会合 (15-16 日) の利上げ観測 (OIS 逆算で確率 78%) も割高なグロースの重しとなり、相対的に銀行株が底堅かった。

マーケット スナップショット

N2251.36%

日経平均株価 (6/4 終値)

67,470.69

-931.44

13211.41%

NF 日経225 ETF (6/4 終値)

70,570.00

-1,010.00

13061.23%

NF TOPIX ETF (6/4 終値)

418.60

-5.20

998411.28%

ソフトバンクG (6/4 終値)

7,377.00

-938.00

8035+4.53%

東京エレクトロン (6/4 終値)

63,660.00

+2,760.00

8306+1.02%

三菱UFJ (6/4 終値)

3,169.00

+32.00

69814.95%

村田製作所 (6/4 終値)

9,904.00

-516.00

USDJPY0.02%

USD/JPY (6/4)

159.94

-0.03

N225
-1.36%
1321
-1.41%
1306
-1.23%
9984
-11.28%
8035
+4.53%
8306
+1.02%
6981
-4.95%
USDJPY
-0.02%
主要指数の前日比 (%)。中央が 0、緑=上昇・赤=下落で、バー長は変化率の大きさに比例。

主要シグナル

空売り比率 / AD ライン / Put/Call / VIX / 機関フロー など

今週の山場

JST 6/5 (金) 21:30

米雇用統計 (NFP)。日本株も翌週寄りに影響

国内の山場

6/15-16 (月火)

日銀 金融政策決定会合。OIS 逆算で 6 月利上げ確率 78%

今日の主役

9984 ソフトバンクG

-11.28%。1 銘柄で日経を約 754 円押し下げ

市場テーマ

半導体の選別

AI ファブレス/ASIC は売り・製造装置は買いで二極化

逆行高

8035 東京エレクトロン

+4.53% 年初来高値。対中規制の日蘭適用除外観測

ローテーション

ハイテク → 銀行

日銀利上げ観測で割高グロースから内需・金融へ

USD/JPY 警戒

159.94

160 接近で介入リスク。円安は輸出株の支え

外部ショック源

AVGO 時間外 -13.78%

AI 半導体売上見通しが予想割れ「噂で買いニュースで売り」

0. 今朝のヘッドライン

  • 🏆 主役: ソフトバンクG (9984) が -11.28% と急落。米ブロードコム (AVGO) の決算が時間外で急落したのをきっかけに AI・半導体関連に利益確定売りが波及し、1 銘柄で日経平均を約 754 円押し下げた。
  • 🌊 隠れたテーマ: 同じ半導体でも AI ファブレス/ASIC 関連 (SBG・村田 -4.95%) は売られ、製造装置 (東京エレクトロン +4.53% で年初来高値) は逆行高。「半導体ひとくくり」から「選別」のフェーズへ。
  • ⚠️ 警戒: 日銀 6 月会合 (JST 6/15-16) の利上げ観測。OIS から逆算した 6 月利上げ確率は 78% と高く、割高なグロース株に相対的な重しとなった。
  • 📅 今週の山場: 米雇用統計 (NFP) が JST 6/5 (金) 21:30。日本株は直接の取引時間外だが、結果は翌週月曜の寄りに反映される。

1. 前日 (JP 6/4 (木)) の振り返り — 構造変化のサイン

今日の東京市場で観測された「構造変化のサイン」を 2 つ記録しておく。

  1. 「AI 半導体」の中で資金の向き先が割れ始めた。これまで SOX 指数 (米フィラデルフィア半導体株指数) の上昇に連動して日本の半導体関連が「全面高」で動いてきたが、6/4 は AVGO ショックでファブレス/ASIC・データセンター部品 (SBG・イビデン -8.4%・村田 -4.95%) が売られる一方、製造装置の東京エレクトロンは +4.53% で逆行高。同じセクター内で材料 (対中規制の適用除外) が異なれば値動きが逆になる、という選別の初動が出た。指数だけ見ていると「半導体が売られた日」に見えるが、内部は二極化している。

  2. 日銀の利上げ観測が「株式の割高感」として効き始めた。6/4 の下げは外部要因 (AVGO) が引き金だが、売られたのが PER の高いグロース (SBG・グロース系ハイテク)、相対的に底堅かったのが銀行株 (三菱UFJ +1.02%・みずほ +0.16%) という構図は、金利上昇局面のローテーションそのもの。日銀 6 月会合を前に「金利が上がるなら割高株から」という資金の動きが、外部ショックと重なって増幅された。

📚 用語: 反落 (はんらく) 上昇していた相場が、上げの途中で下落に転じること。6/4 の日経平均は 6/3 に初の 6 万 8000 円台 (過去最高値 68,402.13 円) を付けた直後の下げなので「4 日ぶり反落」と表現される。高値更新の直後は利益確定売りが出やすく、外部ショックの引き金にもなりやすい。

数字 (簡潔に)

指数 / 銘柄6/4 終値騰落コメント
日経平均株価67,470.69-931.44 (-1.36%)過去最高値 (6/3, 68,402) から 4 日ぶり反落
NF 日経225 ETF (1321)70,570-1,010 (-1.41%)指数連動。日中の値動きの実勢
NF TOPIX ETF (1306)418.6-5.2 (-1.23%)TOPIX は日経より下げ幅が小さい (銀行の下支え)
ソフトバンクG (9984)7,377-938 (-11.28%)当日の最大の重し。日経を約 754 円押し下げ
東京エレクトロン (8035)63,660+2,760 (+4.53%)年初来高値。製造装置は逆行高
村田製作所 (6981)9,904-516 (-4.95%)データセンター/電子部品も連れ安
三菱UFJ (8306)3,169+32 (+1.02%)銀行は相対的に底堅い (利上げ観測の追い風)

注: 日経平均の指数終値・騰落は日経CNBC / 各社報道で確認した確報値。個別銘柄の終値・騰落 (6/4 vs 6/3) は yfinance (.T サフィックス) で取得。日経平均指数そのものは yfinance で 6/4 が欠損していたため報道値を採用した。


2. なぜ下げたか — 3 つのドライバー

① ブロードコム ショック (最大の引き金)

米ブロードコム (AVGO) は JST 6/4 (木) 早朝 (米 6/3 引け後) に 2026 年度 第 2 四半期決算を発表。中身は決して悪くなかった。

  • 売上高 222 億ドル (前年同期比 +48%) — 過去 9 年で最高の四半期成長率
  • 調整後 EPS 2.44 ドル (同 +54%)

それでも株価は 時間外で一時 -15%、最終的に -13.78% と急落した。理由は AI 半導体の売上見通し:

  • 第 3 四半期 (5-7 月) の AI 半導体売上見通し 160 億ドル ← アナリスト予想平均 172 億ドルを大きく下回る
  • ホック・タン CEO 提示の 2026 年 10 月通期 AI 半導体売上見通し 560 億ドル も市場予想に届かず

実績は good でも将来見通しが期待に届かない、という典型的な 「噂で買い、ニュースで売り (buy the rumor, sell the news)」。これがアジア時間に波及し、日本の AI・半導体関連が一斉に売られた。

📚 用語: 噂で買い、ニュースで売り (Buy the rumor, sell the news) 好材料が「出る」という期待で事前に買われ、いざ材料が「出た」瞬間に出尽くし感で売られる相場格言。AVGO は決算前に AI 期待で買い上げられていたため、実績が good でもガイダンスが市場の高い期待に一歩届かなかっただけで急落した。株価がすでに「完璧な未来」を織り込んでいるときに起きやすい。

② ソフトバンクG の急落 (日経の最大の重し)

SBG は 6/2 に上場来高値 9,074 円 を付けた直後で、買い方の利益確定が出やすい地合いだった。そこに:

  • 傘下 Arm の AI 半導体エコシステムへの連想が、AVGO ショックで一気に逆回転
  • 信用買い残が高水準 → 手じまい売り (買い建ての解消) が下げを加速
  • 中東情勢 (イラン・湾岸) の不透明感で海外短期筋が株価指数先物に売り

結果、SBG 1 銘柄で日経平均を約 754 円押し下げ。当日の日経の下げ幅 (-931 円) の大半を SBG が説明する、という「値がさ株 1 銘柄に振り回される日経平均」の脆さが露呈した。

📚 用語: 値がさ株 (ねがさかぶ) と日経平均の歪み 日経平均は「株価の単純平均 (株価換算後)」で計算されるため、株価の絶対水準が高い銘柄 (値がさ株) の影響が極端に大きい。SBG・ファーストリテイリング・東京エレクトロンなど数銘柄で指数の変動の過半が決まる日もある。「日経平均 -1.36%」でも実際は SBG 1 銘柄の急落が主因で、TOPIX (時価総額加重・-1.23%) の方が市場全体の実勢に近い。

③ 日銀 6 月利上げ観測 (構造的な重し)

日銀は 6/15-16 (月火) の金融政策決定会合 で政策金利の引き上げ (0.25 ポイント) を検討と報じられ、一部では政策金利 1% への思惑も。OIS (翌日物金利スワップ) から逆算した 6 月利上げ確率は 78% と高い。利上げは:

  • 割高なグロース/ハイテク株には逆風 (将来利益の割引率が上がる)
  • 銀行株には追い風 (利ざや改善期待) → 三菱UFJ +1.02% の相対的な強さ

背景には 2026 年春闘の賃上げ +5.26% (3 年連続 5% 超)、実質賃金が 13 ヶ月ぶりにプラス (+1.4%) という「賃金と物価の好循環」がある。日銀が利上げに動く根拠は揃いつつある。


3. セクター内の明暗 — 「半導体の選別」を深掘り

6/4 は「半導体が売られた日」と一括りにできない。材料の差で値動きが逆転した。

区分代表銘柄6/4材料
AI ファブレス/ASIC・関連ソフトバンクG -11.28% / 村田 -4.95% / イビデン -8.4%❌ 売りAVGO の AI ガイダンス未達が直撃
半導体製造装置東京エレクトロン +4.53% / アドバンテスト +1.84%✅ 買い対中規制で日蘭が適用除外との観測 + SOX 最高値圏

東京エレクトロンが逆行高となったのは、米国の追加対中半導体規制で日本とオランダが適用除外になるとの観測 が支えたため。AVGO ショックという「需要サイドの不安」よりも、「規制リスクの後退」という装置メーカー固有の好材料が勝った形だ。

ここで読むべきは、「AI 投資が減速するかも」という不安は AI チップを作る側 (ファブレス・ASIC) を直撃するが、半導体を作る装置メーカーには (規制次第で) むしろ別の論理が働くということ。半導体を「ひとつのテーマ」として一括で売買する局面は終わりつつあり、サプライチェーンのどの層にいるかで選別が始まっている。

📚 用語: ファブレス / ファウンドリ / 製造装置 (半導体サプライチェーンの 3 層) 半導体産業は大きく ①設計だけ行う「ファブレス」(AVGO・エヌビディア・Arm)、②製造を受託する「ファウンドリ」(TSMC)、③製造に使う装置を作る「製造装置メーカー」(東京エレクトロン・アドバンテスト・ASML) に分かれる。AI 需要の伸び悩み懸念はまず①の需要見通しを直撃するが、③の装置メーカーは設備投資サイクルと規制環境で別の力学が働く。日本株はこの③に世界的な強豪を多く抱える。


4. マクロ / 為替 — 円安と中東リスク

  • USD/JPY 159.94。160 に接近しており、政府・日銀の 為替介入リスク が意識される警戒圏。円安は輸出株 (自動車・機械) の支えだが、トヨタ (7203) は -1.48% とリスク回避の地合いに押された。
  • 中東情勢 (イラン・湾岸) の緊張で原油高・リスク回避。海外短期筋の先物売りを誘発し、当日の下げを増幅した。
  • 日米金利差: 日銀利上げ観測が円高方向、米金利高止まりが円安方向で綱引き。6/5 (金) の米雇用統計と 6/15-16 の日銀会合が、ドル円の next の方向を決める二大イベント。

5. 経済指標カレンダー (この週の前後)

日付 (JST)指標 / イベント注目度メモ
6/3 (水)🇺🇸ISM 非製造業 (サービス業) 景況指数★★米 GDP の約 7 割を占めるサービス業。雇用統計の地ならし
6/3 (水)🇺🇸ADP 雇用統計★★政府版 雇用統計の前哨戦
6/5 (金) 21:30🇺🇸米雇用統計 (NFP)★★★今週最大。賃金上振れ → 金利上昇 → 株反落の経路に注意
6/上旬🇯🇵毎月勤労統計 (実質賃金)★★実質賃金が 13 ヶ月ぶりにプラス (+1.4%)。日銀利上げの根拠
6/15-16 (月火)🇯🇵日銀 金融政策決定会合★★★6 月利上げ確率 78% (OIS 逆算)。国内最大の山場

📚 用語: 米雇用統計 (NFP, Non-Farm Payrolls) 米労働省が毎月第 1 金曜に発表する非農業部門雇用者数。FRB の金融政策を最も左右する指標で、米国株・為替・金利が大きく動く。日本株は発表時 (JST 21:30) には引けているが、結果は翌営業日 (この週は週明け月曜) の寄りに反映される。雇用が強すぎると「利下げ後ずれ → 金利高 → 株安」となる「good news is bad news」になりやすい。


6. 個人投資家向けの読み筋 (操作命令ではない)

今の局面 (過去最高値圏からの反落 + 半導体の選別 + 日銀利上げ観測) で意識したい原則:

  • 「日経 -1.36%」を額面どおり受け取らない。実際は SBG 1 銘柄が下げの大半。市場全体の体温は TOPIX (-1.23%) や値上がり/値下がり銘柄数で測る方が正確。
  • AVGO ショックを「日本の半導体全部が割安になった」と即断しない。ファブレス/ASIC 関連 (需要懸念の直撃) と製造装置 (規制・設備投資の別ロジック) は分けて考える。東エレクが逆行高だった事実がそれを示している。
  • 日銀 6/15-16 の前にグロース集中を増やさない。利上げが現実なら、割高なハイテクより内需・金融に相対的な追い風。ローテーションの初動が 6/4 に出ている。
  • 円安 (USD/JPY 160 接近) の介入リスクを忘れない。輸出株の追い風だが、介入が入れば一気に巻き戻る。為替前提に依存したポジションは要注意。

7. データソース・引用

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本記事は情報提供のみを目的としています。投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。記載の数値は取得時点のもので、市場開閉や訂正により変動します。投資判断はご自身の責任で行ってください。本記事の見解は執筆者個人のもので、所属組織の見解を代表するものではありません。

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