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PEG Ratio約 3 分PEG レシオとは|意味・1倍の目安・株式市場での見方をわかりやすく解説
読み: ぺぐれしお
PEG レシオ (PEG Ratio) は P/E を利益成長率で割った指標。1倍を基準に、高い P/E が成長で正当化できるかを測る。Peter Lynch が広めた「成長を加味した割安度」の物差しで、フォワード P/E とセットで使う。
ひとことで言うと: PEG レシオは P/E (株価収益率) を利益成長率で割った指標で、「高い P/E が成長で正当化できるか」を1倍を基準に測る。
PEG レシオとは
PEG レシオ (PEG Ratio, Price/Earnings to Growth Ratio) は、株価収益率 (P/E) を 1 株当たり利益 (EPS) の年間成長率で割って算出する。
PEG レシオ = P/E ÷ EPS 成長率 (%)
たとえば P/E が 30 倍でも、EPS が年 30% 成長していれば PEG は 1.0 になる。成長率には今後 1〜3 年の予想 EPS 成長率を使うことが多く、これを「フォワード PEG」、過去実績の成長率を使う場合を「トレーリング PEG」と呼んで区別する。
元々は Mario Farina が 1969 年の著書『A Beginner's Guide To Successful Investing In The Stock Market』で紹介し、後に伝説的ファンドマネジャー Peter Lynch が著書『One Up on Wall Street』(1989) で広めた。Lynch は「適正に評価された企業の P/E はその成長率と等しくなる」、すなわち PEG = 1 がフェアバリュー だと説いた。
なぜ重要か / 株式市場での見方
P/E 単体では「30 倍は割高」のように見えても、成長性を無視している。PEG はそこに成長率を持ち込むことで、高 P/E が将来の利益拡大で正当化できるかを一つの数字で示す。一般的な目安は、
- 1 倍未満 … 成長に対し株価が割安寄り
- 1 倍前後 … フェアバリュー (Lynch の基準)
- 2 倍以上 … 成長で説明しにくい割高寄り
成長率の高いグロース株を、P/E だけでは弾いてしまう投資家にとっての補正レンズとして機能する。逆に、成長期待が剥落して EPS 成長率の見通しが下がると、株価が同じでも PEG は跳ね上がり「思ったより割高」へと評価が反転する。
ただし誤解しやすい点も多い。(1) 分母の成長率の取り方 (来期予想か 5 年平均か、アナリスト予想か実績か) で値が大きく変わるため、同じ銘柄でもソースによって PEG が食い違う。(2) 成長率がゼロ近辺・マイナスだと PEG は無意味になり、低成長の高配当株には不向き。(3) EPS 成長は必ずしもフリーキャッシュフロー (FCF) の成長と一致しない。1 倍はあくまで経験則であり、金利水準や ROE、事業の質を無視した単独の合否ラインではない点に注意したい。
関連する用語・指標
PEG は フォワード P/E を成長率で割った発展形なので、まず P/E の水準感とセットで見る。利益成長率の前提が動く局面では EPS リビジョン (アナリスト予想の改定) が PEG を直接左右する。利益の質を確かめるには FCF (フリーキャッシュフロー) や FCF マージン、ソフトウェア企業なら Rule of 40 と併用すると、成長と収益性の両面から「その P/E が妥当か」を立体的に判断できる。
関連する用語
Forward P/E
フォワード P/E (予想 PER)
株価を「今後 12 か月の予想 1 株利益 (EPS)」で割った予想株価収益率。実績ではなく将来予想を使うのが特徴で、単独の数値ではなく 5 年・10 年平均との比較で割高・割安を判断するのが鉄則。
EPS Revision
EPS リビジョン
アナリストによる 1 株あたり利益 (EPS) 予想の上方・下方修正。予想が引き上げられ続ける上方修正モメンタムは、最も強力な単独アルファ要因の一つとされるファンダメンタルズ指標。
FCF
FCF (フリーキャッシュフロー)
営業キャッシュフローから設備投資 (CapEx) を差し引いた、事業が生み出す自由に使える現金。会計上の利益と違って実際の現金の増減を捉えるため「本当に稼ぐ力」を映す指標とされる。
FCF Margin
FCF マージン (フリーキャッシュフロー利益率)
フリーキャッシュフロー (FCF) を売上で割った比率。売上 1 ドルのうち何セントが自由に使える現金に変わるかを示し、会計上の利益ではなく実際の現金創出力で企業の質を測る指標。
Rule of 40
Rule of 40 (40% ルール)
SaaS 企業の「売上成長率 (%) + 利益率 (%)」の合計が 40% 以上かどうかを見る経験則。成長と収益性のどちらかに偏らず、両者の合計で企業の健全性を評価する考え方で、高成長 SaaS のバリュエーション判断に広く使われる。
CAPE / Shiller P/E
CAPE (景気循環調整後 P/E)
株価をインフレ調整済みの過去 10 年平均利益で割って算出する長期バリュエーション指標。1 年の利益のブレを均すことで景気循環の影響を取り除き、市場が割高か割安かを長期目線で測る。ロバート・シラーが普及させ「Shiller P/E」とも呼ばれる。