Bull Note米国株 デイリー戦略ノート

EARNINGS · Q2 FY26

強気
AAPLApple·2026年4月30日(木) AMC22

AAPL Q2 FY26 — 売上 $111.2B (+17%)・EPS $2.01 (+22%) で過去最高の 3 月期、iPhone 17 が史上最人気で iPhone +22% / Greater China +28%。$100B 自社株買い追加

Apple Q2 FY26 は売上 $111.2B (+17% YoY、予想 $109.7B 超)、希薄化後 EPS $2.01 (+22%)、純利益 $29.58B。iPhone $57.0B (+22%) / Services $31.0B (+16%) が 3 月期・過去最高を更新、Greater China +28% と約 4 年ぶりの強さ。粗利率 49.3% (+220bp)。Q3 は売上 +14〜17% ガイド (市場想定 +9.5% を大幅に上回り)。配当 +4% / $100B 自社株買い追加。総合判断: 強気。

売上 $111.2B (+17%)・EPS $2.01 (+22%) で過去最高の 3 月期。iPhone +22%、Greater China +28% と約 4 年ぶりの強さ。Q3 ガイド +14〜17% は市場想定を大幅に上回り、$100B 自社株買い追加。総合判断: 強気。

数字サマリ

EPS

$2.01コンセンサス $1.95上振れ

REVENUE

$111.20Bコンセンサス $109.50B上振れ

EPS

コンセンサス
$1.95
実績
$2.01
上振れ

売上

コンセンサス
$109.50B
実績
$111.20B
上振れ
バー長はコンセンサス予想と実績の大きさに比例。緑=上振れ、赤=下振れ。

主要 KPI

iPhone 売上

$56.99B

+21.7% YoY

3 月期の売上記録。iPhone 17 ラインナップの『史上最人気』需要が牽引

サービス (Services) 売上

$30.98B

+16.3% YoY

過去最高を更新。App Store / iCloud / Apple Pay / 広告等。高粗利の収益柱

Mac 売上

$8.40B

+5.7% YoY

コンセンサス約 $8.0B 超。MacBook Neo 等の供給制約下でも増収

iPad 売上

$6.91B

+8.0% YoY

コンセンサス約 $6.7B 超。買い手の過半が新規顧客

ウェアラブル・ホーム・アクセサリ (Wearables, Home & Accessories) 売上

$7.90B

+5.0% YoY

Apple Watch / AirPods 等。Watch 購入者の半数超が新規

Greater China 売上

$20.5B

+28% YoY (前年 $16B)

約 4 年ぶりの強さ。補助金 + iPhone 17 で現地需要が回復

粗利率 (全社)

49.3%

+220bp YoY

プロダクト 38.7% / サービス 76.7%。ミックス改善 + 為替が押し上げ

営業キャッシュフロー (Operating CF)

$28B 超

四半期記録級

巨額の株主還元の原資

四半期配当

$0.27/株

+4%

JST 2026/5/15 (= US 5/14) 支払

自社株買い 追加承認

$100B

新規プログラム

当四半期は約 $11B (4,200 万株)、直近 6 ヶ月で約 $36B を買戻し済み

ガイダンス

項目判定補足
Q3 FY26 売上成長率+14〜17% YoYコンセンサス超え市場想定 約 +9.5% を大幅に上回り
Q3 FY26 粗利率47.5〜48.5%コンセンサス並みメモリ コスト上昇をサービス ミックスで一部相殺。Q2 の 49.3% から低下
Q3 FY26 営業費用$18.8〜19.1B据え置きAI への増分投資を継続

株価反応

引け値

$312.06

時間外

$321.00

+3.00%

公式情報源

1 行サマリ

AAPL が US 4/30 (木) 引け後 (AMC) = JST 5/1 (金) 朝 5:00 頃に Q2 FY26 (会計第 2 四半期、四半期末 US 3/28) を発表。売上・利益が揃って過去最高の「3 月期」となり、全地域・全製品カテゴリで 2 桁成長を達成しました。売上 $111.2B (+17% YoY) はコンセンサス約 $109.5B を上回り、希薄化後 EPS $2.01 (+22% YoY) も予想約 $1.95 を上振れ。純利益は $29.6B で、売上成長 (+17%) を上回るペース (+22%) で増益し、オペレーティング レバレッジが効きました。

この決算の主役は iPhone と Greater China です。iPhone は $56.99B (+21.7% YoY) と 3 月期の売上記録を更新し、経営陣はその原動力を 「iPhone 17 ラインナップへの並外れた需要 (extraordinary demand)」 と表現。史上最人気のラインナップという位置づけが数字で裏付けられました。さらに長く逆風だった Greater China が $20.5B (+28% YoY) と約 4 年ぶりの力強さでリバウンドし、「中国失速」という最大の弱気シナリオを今四半期に限り明確に否定しました。高粗利の サービス (Services) も $30.98B (+16.3% YoY) で過去最高を更新し、ハードとソフトの両輪が回りました。さらに Q3 FY26 ガイドが売上 +14〜17% と市場想定 (約 +9.5%) を大幅に上回ったことが、記録的な数字を「持続する勢い」へと格上げしました。

株主還元も拡充されました。四半期配当を $0.26 → $0.27 (+4%) へ引上げ、さらに $100B の自社株買いを追加承認。直近 6 ヶ月で約 $36B を買い戻し済みで、$28B 超の営業キャッシュフローがその原資です。総合判断: 強気。ただし論点は数字そのものより「メモリ コストによる Q3 粗利率の低下 (47.5〜48.5%)」「Apple Intelligence (AI) の成長貢献の時期」「JST 2026/9/2 の CEO 交代 (Tim Cook → John Ternus)」に移っており、好決算と並行して構造変化が進む四半期でした。


数字の中身

EPS / 売上

項目実績コンセンサスYoY (前年比)評価
希薄化後 EPS$2.01約 $1.95+22% (前年 $1.65)上振れ
総売上$111.2B約 $109.5B+17%上振れ・過去最高の 3 月期
純利益$29.6B+22%売上成長を上回る増益
営業キャッシュフロー (Operating CF)$28B 超株主還元の原資

売上成長 (+17%) を上回るペースで純利益が伸びた (+22%) のは、プロダクト・サービスのミックス改善と粗利率拡大によるオペレーティング レバレッジが効いたためです。$111.2B は「3 月期 (= 年末商戦を含まない非ホリデー四半期)」としては Apple 史上最大で、ホリデー四半期 (Q1) を除けば歴史的な規模です。

📚 用語: なぜ「3 月期 (March quarter)」かどうかが重要なのか Apple の会計年度は 9 月末締めで、最大の四半期は年末商戦を含む Q1 (10〜12 月、ホリデー四半期)。今回の Q2 (1〜3 月) は新製品発売直後の反動が出やすく、季節性で売上が落ちる「端境期」にあたります。その端境期で過去最高を更新したという点が「3 月期記録」の意味で、ホリデー四半期と単純比較した数字ではありません。前年同期 (Q2 FY25) との YoY で比べるのが正しい読み方です。

マージン

項目Q2 FY26Q2 FY25 (前年)変化
粗利率 (全社)49.3%47.1%+約 220bp
プロダクト粗利率38.7%前 Q 比 -約 200bp (供給制約・ミックス)
サービス粗利率76.7%前 Q 比 +約 20bp

粗利率 49.3% (前 Q 比 +約 110bp、ガイダンス上限を上回り) は、(1) 高粗利の サービス (Services) 比率の上昇、(2) 為替の追い風、(3) プロダクト ミックスの改善が重なった結果です。サービス粗利率は 76.7% に対し、プロダクト粗利率は 38.7% と桁が違い、全社 49.3% は「物理製品 38.7% × ソフト 76.7%」の加重平均です。Apple の粗利率はサービス比率が上がるほど構造的に底上げされる「ソフト化」の途上にあり、49% 台は同社としても高水準です。

📚 用語: ハード企業の「サービス化」と粗利率の関係 Apple の粗利率はプロダクト (iPhone 等の物理製品、今期 38.7%) と サービス (App Store / iCloud 等、今期 76.7%) の加重平均で決まります。サービスは原価がほとんどかからないデジタル商品なので、売上に占めるサービス比率が上がるほど全社粗利率は機械的に上昇します。今回サービスが $30.98B で過去最高を更新したことは、足元の利益だけでなく「中長期の粗利率の天井を押し上げる」構造変化として効いてきます。なお Q3 FY26 はメモリ コスト上昇で全社粗利率 47.5〜48.5% へ低下する見通しで、ハード コストの逆風がサービス ミックスの追い風を一時的に上回ります。

セグメント — iPhone と China が二本柱

カテゴリ (Category)売上YoYコメント
iPhone$56.99B+21.7%3 月期記録。iPhone 17 の『史上最人気』需要
サービス (Services)$30.98B+16.3%過去最高。App Store / iCloud / Apple Pay / 広告 / AppleCare
Mac$8.40B+5.7%コンセンサス約 $8.0B 超。MacBook Neo 等の供給制約下でも増収
iPad$6.91B+8.0%コンセンサス約 $6.7B 超。買い手の過半が新規顧客
ウェアラブル・ホーム・アクセサリ (Wearables, Home & Accessories)$7.90B+5.0%Apple Watch / AirPods 等

全カテゴリが増収で、特に売上の約半分を占める iPhone が +21.7% と二桁成長を牽引しました。サービスは伸び率こそ iPhone を下回るものの、高粗利ゆえ利益貢献では最重要の柱です。なお「サービス単体 ($30.98B) が Mac + iPad + ウェアラブルの合計 ($23.2B) を上回る」点が、Apple のソフト化の進行を端的に示します。

地域別 — Greater China のリバウンドが最大のサプライズ

地域売上YoY (約)コメント
Americas$45.1B+12%最大の地域。なお二桁成長
Europe$28.1B+15%堅調
Greater China$20.5B+28%約 4 年ぶりの力強さ。最大の弱気材料を今期は否定
Rest of Asia Pacific$9.1B+25%新興国の伸びが寄与
Japan$8.4B+15%堅調

Apple は近年、Greater China の減速が最大の懸念材料でした。現地メーカー (Huawei 等) との競争激化と消費低迷で売上が伸び悩んでいたためです。今四半期に $20.5B (+28%、前年 $16B) という約 4 年ぶりの強さでリバウンドしたことは、iPhone 17 の現地需要が想定を超えたことを示し、弱気シナリオの一角を崩しました。背景には中国政府の家電・スマホ補助金で iPhone 17 の一部モデルが対象になったこと、IDC によれば中国での iPhone 出荷が前年比 +33% と市場全体 (-5%) に逆行したことがあります。ただし中国の消費・地政学・補助金政策はボラティリティが高く、「1 四半期の好転で構造問題が解決した」とまでは言えません。次の四半期に持続するかが焦点です。

📚 用語: なぜ Apple にとって Greater China が「踏み絵」なのか Greater China (中国本土・香港・台湾) は Apple にとって売上規模で上位の地域であると同時に、主要な生産拠点でもあり、需要と供給の両面で感応度が最も高い市場です。現地スマホ メーカーとの競争、政府の補助金・規制、米中関係、為替がすべて売上に効くため、Apple 株の強気・弱気を分ける「踏み絵」になりやすい。+28% のリバウンドは強気材料ですが、関税・地政学リスクと表裏一体である点に注意が必要です。


株主還元

還元策内容
四半期配当$0.26 → $0.27 (+4%) へ引上げ。JST 2026/5/15 (= US 5/14) 支払
自社株買い$100B を追加承認 (新規プログラム)
当四半期の買戻し実績約 $11B (約 4,200 万株)
直近 6 ヶ月の買戻し実績約 $36B

📚 用語: 自社株買い (Buyback) が 1 株あたり価値に効く仕組み 自社株買いとは、会社が市場から自社の株式を買い戻して消却すること。発行済み株式数が減るため、同じ純利益でも 1 株あたり利益 (EPS) が機械的に押し上げられ、残った株主の持ち分価値が高まります。Apple は世界最大級の自社株買いの常連で、今回の $100B 追加承認は EPS の継続的な底上げと需給の下支えを意味します。今四半期の EPS が +22% と売上成長 (+17%) を上回った一因にも、長年の自社株買いによる株数減少が効いています。


ガイダンス分析

この決算が市場の論争にどう答えたか

強気派の見立てへの回答 (iPhone スーパーサイクル + サービス成長派):

  • ✅ iPhone +21.7% / 3 月期記録で「iPhone 17 は買い替えサイクルを起こせるか」に明確に Yes
  • ✅ Greater China +28% で「中国失速」という最大の弱気材料を今期は否定
  • ✅ サービス $30.98B 過去最高 + 粗利率 49.3% で、高粗利のソフト収益柱が健在
  • ✅ Q3 売上ガイド +14〜17% (市場想定 約 +9.5% 超) で「端境期に勢いが続く」ことを追認

弱気派の見立てへの回答 (AI 遅延 + メモリ コスト警戒派):

  • ⚠️ Apple Intelligence (生成 AI 機能) と次世代 Siri は依然キャッチアップ段階で、成長ドライバーとしての貢献は限定的
  • ⚠️ メモリ コスト上昇で Q3 粗利率は 47.5〜48.5% へ低下見通し、利益率の逆風が顕在化
  • ⚠️ 記録的決算ゆえ期待値が高く、バリュエーションがコンセンサス目標 (約 $310) に肉薄

結論: ファンダメンタルは クリーンに強気。論点はもはや「需要があるか」ではなく「(1) China のリバウンドが続くか、(2) Apple Intelligence がいつ成長ドライバーになるか、(3) メモリ コスト上昇下で粗利率をどこまで守れるか」に移っています。

次の四半期ガイダンス

項目ガイダンスコメント
Q3 FY26 売上成長率+14〜17% YoY市場想定 約 +9.5% を大幅に上回り。記録的な強気ガイド
Q3 FY26 粗利率47.5〜48.5%Q2 の 49.3% から低下。メモリ コスト上昇をサービス ミックスで一部相殺
Q3 FY26 営業費用$18.8〜19.1BAI への増分投資を継続 (R&D は YoY で大きく増加)

注目すべきは Q3 売上ガイドの +14〜17% が、市場想定 (約 +9.5%) を大きく上回る強気な数字だった点です。記録的な 3 月期の勢いが端境期を越えて続くという経営陣の自信の表れで、ガイドは「米中の関税率・政策が会議時点のまま継続し、世界のマクロが悪化しない」前提です。一方で粗利率は メモリ価格の上昇を主因に Q3 で 47.5〜48.5% へ低下する見通しで、Tim Cook は「significantly higher memory costs (大幅に高いメモリ コスト)」が Q3 以降の利益率の逆風になると明言しました。

📚 用語: なぜメモリ コスト上昇が Apple の粗利率に効くのか iPhone・Mac には大量の DRAM / NAND フラッシュ メモリが搭載されます。2025〜2026 年は AI データセンター向けの HBM (広帯域メモリ) 需要が DRAM 全体を逼迫させ、スマホ・PC 用メモリの価格も上昇しました。Apple はメモリを外部から調達するため、価格上昇は原価増 = プロダクト粗利率の圧迫に直結します。Q2 のプロダクト粗利率 38.7% (前 Q 比 -約 200bp) はその先触れで、Q3 ガイド (全社 47.5〜48.5%) の低下も主因はメモリです。AI ブーム (NVIDIA 等の追い風) が、AI チップを使わないハード メーカーには「部材インフレ」という逆風として跳ね返る構図です。

日付表記の指針 (本文中):

  • 次の四半期決算への言及は「Q3 FY26 (発表予定 JST 2026/8 上旬)」のように
  • 配当の支払時期は「JST 2026/5/15 (= US 5/14)」のように絶対表記
  • 経営陣コミットメントの検証時期は「FY26 後半 (JST 2026/7-9)」のように

株価反応

  • 発表前: 決算当日 US 4/30 (木) 引け値は約 $312 (過去 6 ヶ月は概ね横ばいで「材料待ち」の地合い)
  • 発表直後: 時間外 (AH) は一旦小幅安に振れた後、売上・EPS の上振れと +14〜17% の強気 Q3 ガイドを好感し、おおむね +3% 前後へ転じて取引を終えました
  • 翌営業日 US 5/1 (金): 一段高で寄り付き、終値ベースで +3〜4% 程度上昇 (約 $280 ※株式分割等の調整後ベースの報道値と、未調整の $312 近辺の値が混在するため、水準は IR / 取引所データで最終確認のこと)
  • その後の地合い: iPhone 17 サイクル + Greater China 回復 + JST 2026/6/8 の WWDC (AI 期待) を背景に、5 月後半にかけて買いが続伸

決算は iPhone・サービス・Greater China・営業 CF・EPS がいずれも 3 月期記録という強い内容で、過去 6 ヶ月の停滞を抜ける触媒になりました。一方で Apple は時価総額が極めて大きく、好決算でも事前の織り込みと Q3 ガイドの読まれ方で初動が左右されやすい銘柄です。今回はガイドが市場想定を大きく上回ったため、ヘッドラインと株価が素直に整合した「クリーンに上振れ」型の反応でした。

注: 本記事の株価水準は複数報道の整合をとった概算です。発表前後の正確な終値・時間外の変動率は IR / 取引所データで最終確認のうえ参照してください。


決算後のニュース・反応

アナリスト目標株価 / 格付け

記録的な 3 月期 + 強気 Q3 ガイドを受け、複数ハウスが強気スタンスを維持・引上げました。コンセンサス目標株価は約 $310 で、最強気は Wedbush の $400 です。

ハウス格付けターゲットコメント
Wedbush (Dan Ives)強気 (Outperform)$400 (5/8 引上げ)ストリート最高水準。「世界人口の約 2 割が Apple デバイスで AI に触れる」
BofA (Wamsi Mohan)Buy 維持$320 → $380 (5 月後半)App Store の成長を評価
Citi (Atif Malik)Buy$315 → $330iPhone 17 アップグレード サイクルの勢い
Morgan Stanley (Erik Woodring)強気 (Overweight)$315〜3302026 製品サイクルへ高確信
JPMorgan強気 (Overweight)$325旺盛な iPhone 需要
BNP Paribas中立 → Outperform$260 → $300決算前に格上げ

重要な観察

ターゲットの引き上げが目立ち、格付けの引き下げはほぼ見られない点が、投資シナリオ (iPhone サイクル + サービス + China 回復) の健全さを示しています。一方、コンセンサス目標 (約 $310) を実勢株価が一時上回る場面もあり、バリュエーションが先行している側面には留意が必要です。論点は数字より「持続性」と「AI」に集中しています。

テーマ強気の論拠慎重派の留保
iPhone 17 サイクル+21.7% / 3 月期記録で需要を実証端境期での記録、ホリデー四半期 (Q1) の本番が真価
Greater China+28% で約 4 年ぶりの強さ補助金・地政学・競争でボラティリティが高い
サービス$30.98B 過去最高、高粗利 (76.7%)伸び率は二桁だが iPhone ほどの加速ではない
Apple Intelligence (AI)25 億超の active devices が将来の収益機会次世代 Siri / 生成 AI の本格貢献は先送り感
メモリ・関税コストQ2 粗利率 49.3% で吸収Q3 は 47.5〜48.5% へ低下、メモリ逆風が顕在化

経営トップの交代 — もう一つの構造変化

今回の決算は、Tim Cook から John Ternus への CEO 交代を控えた節目でもありました。Tim Cook は 15 年務めた CEO を JST 2026/9/2 (= US 9/1) に退き、ハードウェア エンジニアリング責任者の John Ternus が後任に就きます。Cook は会議で「there is no one on this planet I trust more to lead Apple into the future than John Ternus (この地球上で John Ternus 以上に Apple の未来を託せる人物はいない)」と全幅の信頼を表明。記録的な業績を花道に円滑なバトンタッチを進める形で、経営の継続性リスクは限定的という受け止めが大勢です。

経営陣コメント (公式リリース・電話会議より)

  • 「iPhone achieved a March quarter revenue record, fueled by such extraordinary demand for the iPhone 17 lineup (iPhone は iPhone 17 ラインナップへの並外れた需要に支えられ、3 月期の売上記録を達成した)」 — Tim Cook (CEO)
  • 「The iPhone 17 family is now the most popular lineup in our history (iPhone 17 ファミリーは当社史上最も人気のあるラインナップだ)」 — Tim Cook (CEO)
  • 「(We expect) significantly higher memory costs (in the June quarter) (6 月期は大幅に高いメモリ コストを見込む)」 — Tim Cook (CEO)、Q3 以降の粗利率の逆風について
  • 「Our strong business performance during the March quarter generated over $28 billion in operating cash flow (3 月期の力強い業績は $28B 超の営業キャッシュフローを生み出した)」 — Kevan Parekh (CFO)
  • AI について CFO は「really important investment area (極めて重要な投資領域)」とし、通常の製品ロードマップ投資に上乗せする形で増分投資を行うと説明

Motley Fool トランスクリプト全文 →

同業・サプライチェーンへの波及

  • iPhone +21.7% / Greater China +28% は、Apple サプライチェーン全体への強気サイン。TSM (TSMC、A シリーズ・M シリーズ チップの委託製造)、QCOM (モデム)、Foxconn 等の組立・部材メーカーに追い風
  • サービス $30.98B 過去最高は、App Store エコシステムに連なるデベロッパー・決済 (Apple Pay)・広告事業の堅調を示す

長期投資家の視点

立場別の判断

立場見方
未保有 (バリュエーション再評価派)ファンダは過去最高で China リバウンド + サービス記録 + $100B 自社株買いと材料は厚い。ただし大型株ゆえバリュエーションは割安ではなく、Apple Intelligence の進捗と Q3 ガイドの持続性を確認しつつ押し目を待つのが安全
保有中 (含み益)強気シナリオ (iPhone サイクル × サービス × 還元) は健在。コア保有継続。中国の持続性と AI 進捗をウォッチ
保有中 (含み損)慌てて売る局面ではない。$100B 自社株買いと配当増は中期の下値を支える材料。China の構造好転が続くかを次の四半期で確認

次の四半期で確認すべき指標

  1. Greater China の YoY — +28% のリバウンドが Q3 FY26 でも続くか、それとも補助金一巡で一過性だったか (最大の論点)
  2. iPhone の YoY — iPhone 17 サイクルの勢いが端境期を越えて持続するか
  3. 全社粗利率の着地 (Q3 ガイド 47.5〜48.5%) — メモリ コストの逆風がガイド内に収まるか、それを超えるか
  4. サービス (Services) の成長率 — 高粗利の柱が二桁成長を維持し、メモリ逆風を一部相殺できるか
  5. Apple Intelligence / 次世代 Siri の進捗 — AI 機能が「成長ドライバー」に転じる時期の示唆が出るか (JST 2026/6/8 の WWDC が次の触媒)

マクロ・他銘柄への含意

  • メガキャップ・テックの体温計 — Apple の全地域二桁成長と過去最高の 3 月期は、米国・中国を含むグローバルの個人消費が高所得層を中心になお底堅いことを示唆。QQQ / SPY の時価総額最大級の構成銘柄として、指数の方向にも影響
  • Greater China の景気代理変数 — Apple の中国売上 $20.5B (+28%) は、現地のプレミアム消費の温度計。中国の高額耐久消費の持ち直し + 補助金効果を示す一方、補助金一巡後の反動・地政学・関税の不確実性とは表裏一体
  • メモリ価格インフレの裏表 — Apple の「significantly higher memory costs」発言は、AI データセンター需要 (NVDA 等の追い風) が DRAM / NAND を逼迫させている裏返し。メモリ メーカー MU (Micron) には追い風、Apple のようなハード メーカーにはコスト逆風という両面
  • AI 競争での立ち位置 — Apple Intelligence の進捗は、MSFT / GOOGL など生成 AI 先行勢との比較で評価される。ハードの active devices (25 億超) を AI でどう収益化するかが中長期の株価ドライバー
  • 長期投資家として — 焦点は「需要の有無」から「(1) 中国リバウンドの持続性、(2) Apple Intelligence の収益化時期、(3) メモリ コスト下での粗利率維持、(4) CEO 交代後の経営継続性」へ。記録的決算でも期待値が高い銘柄ゆえ、ガイドの読まれ方と株価初動の乖離に留意する

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免責: 本記事は情報提供のみを目的としています。投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。 最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。