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Bull Note米国株 デイリー戦略ノート

用語 · マーケット構造

Defensive vs Cyclical4

ディフェンシブ株とシクリカル株とは|景気敏感度によるセクター区分と局面別の読み方

読み: でぃふぇんしぶかぶとしくりかるかぶ

景気敏感度でセクターを2分する考え方。ディフェンシブ株は生活必需品・ヘルスケア・公益などで景気に左右されにくく低ベータ・高配当。シクリカル株は一般消費財・資本財・素材・金融など景気サイクルに業績が連動し高ベータ。景気局面ごとにどちらが主役になるか (セクターローテーション) を読む土台になる。

ひとことで言うと: 景気の波に業績がどれだけ振られるかでセクターを2つに分けた言葉。景気に左右されにくいのがディフェンシブ株、景気サイクルとともに大きく上下するのがシクリカル株で、いまが景気のどの局面かを意識して使い分ける土台になる。

ディフェンシブ株とシクリカル株とは

シクリカル株 (Cyclical、景気敏感株) は、業績・株価が景気サイクルに連動して大きく動く銘柄。GICS のセクターでは一般消費財 (Consumer Discretionary)、資本財 (Industrials)、素材 (Materials)、金融 (Financials)、不動産 (Real Estate) などが該当し、半導体やハードウェアなど情報技術 (IT) も景気敏感とされる。景気拡大で個人消費や設備投資が増えると売上が伸び、固定費の高い事業構造ゆえに利益が膨らみやすい一方、後退期は逆回転する。なお MSCI の分類方法論では、2018 年の GICS 再編で新設された通信サービス (Communication Services) もシクリカル側に置かれている。動画配信・広告・ゲームといった景気に敏感なメディア / 対話型メディアを含むためで、固定電話のような旧来の規制通信だけを思い浮かべると誤る。「通信=ディフェンシブ」は再編前の感覚で、現行 GICS の通信サービス全体は景気敏感寄りと押さえておきたい (規制色の強い一部のみディフェンシブ的)。

ディフェンシブ株 (Defensive、非景気敏感株) は、景気に関係なく需要が安定している銘柄。生活必需品 (Consumer Staples)、ヘルスケア (Health Care)、公益 (Utilities) が代表格だ。歯磨き粉・電気・処方薬のように景気が悪くても買い続けるものを扱うため、業績のブレが小さく配当も安定しやすい。市場全体に対する感応度を表すベータ (β) は、シクリカルが概ね1超、ディフェンシブが1未満になる傾向がある。

一点ややこしいのがエネルギー (Energy) の置き場所だ。MSCI の分類方法論ではエネルギーをディフェンシブ側に入れているが、Fidelity の景気循環フレームでは景気後期にエネルギー・素材が先導するシクリカル寄りのセクターとして扱う。原油価格 (インフレ) に業績が大きく左右される「インフレ感応セクター」ゆえに、どちらの体系を採るかで分類が割れる、と理解しておくとよい。

なぜ重要か / 株式市場での見方

両者を意識する最大の理由は、景気局面ごとに主役が入れ替わる (セクターローテーション) からだ。Fidelity の景気循環アプローチでは、景気回復の初期は金利敏感な一般消費財・金融や資本財・素材が先導し、中期は IT・資本財が強く、後期はインフレ追い風のエネルギー・素材に加えてディフェンシブが相対的に強含み、後退期は生活必需品・公益・ヘルスケアが市場の下げを和らげる、という弧を描く。「景気の山が近い」と感じたらディフェンシブに比重を移す、といった守りの調整に使える。

誤解しやすいのがシクリカル株の PER の読み方だ。景気敏感株は業績ピークで利益が最大化するため PER が最も低く見え、逆に業績の底で PER が跳ね上がる。表面の低 PER を割安と勘違いして高値掴みする「ピーク PER の罠」を避けるには、平準化した正常時利益で測る必要がある。また「ディフェンシブ=必ず安全」でもない。金利上昇局面では高配当の公益が債券と競合して売られるなど、ディフェンシブにも逆風はある。

関連する用語・指標

景気局面ごとの主役交代そのものを扱うのがセクターローテーション。シクリカル株を割高な業績ピークで掴まないためにはフォワード基準で見るフォワード P/E の考え方が役立つ。景気の体温計として、シクリカルとディフェンシブの綱引きを映す銅金比 も合わせて確認したい。

公益 (Utilities)
β 0.5前後
ディフェンシブ。配当が支え
生活必需品 (Staples)
β 0.5-0.7
毎日買うものが主役
ヘルスケア (Health Care)
β 0.7前後
景気後退でも底堅い
市場全体 (S&P 500)
β 1.0
基準
資本財・金融
β 1.1-1.2
景気敏感
一般消費財・素材
β 1.1-1.3
シクリカル。振れ幅大
セクター別ベータ (市場=1.0) の目安。シクリカルほど大きく、ディフェンシブほど小さい傾向
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関連する用語

Sector Rotation

セクターローテーション

景気循環の局面に応じて、強い業種 (セクター) へ資金が移っていく現象・戦略。景気敏感株と景気防衛株の間を資金が回ることで、相場の局面転換のサインになる。

Forward P/E

フォワード P/E (予想 PER)

株価を「今後 12 か月の予想 1 株利益 (EPS)」で割った予想株価収益率。実績ではなく将来予想を使うのが特徴で、単独の数値ではなく 5 年・10 年平均との比較で割高・割安を判断するのが鉄則。

Copper-Gold Ratio

銅金比

銅価格を金価格で割った比率。景気敏感な銅と安全資産の金の力関係から、世界景気の温度と長期金利の方向を読むマクロ指標。上昇は景気楽観、低下は景気減速懸念を示す。Gundlach Ratio とも呼ばれる。

Quality Factor / Profitability (QMJ, RMW)

クォリティ効果 (クォリティ ファクター)

高収益・低負債・安定成長など「質の高い」企業の株式が、長期で平均的に市場や低品質株を上回ってきたという傾向。 クォリティは「景気減速や下落局面で効きやすい守りのファクター」として位置づけられる。

Low-Volatility Anomaly

低ボラティリティ・アノマリー

値動きの小さい低ボラ株が、理論上は高リターンのはずの高ボラ株を、リスク調整後で歴史的に上回ってきたという CAPM に反する現象。 CAPM では「ベータが高い銘柄ほど期待リターンが高い」はずなのに、実際の証券市場線はほぼ平ら、局面によっては右肩下がりになる。

Value Premium

バリュー効果

割安株 (低 PBR / 低 PER) が割高なグロース株を長期で平均的に上回ってきた傾向。Fama-French の HML ファクターで定量化される。 バリュー効果は、市場全体 (ベータ) では説明できない超過リターンの源泉とされ、サイズ効果やモメンタムと並んで「ファクター投資」の中核を成す。

出典

免責: 本記事は情報提供のみを目的としています。投資勧誘や個別銘柄の売買推奨ではありません。 最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。