用語 · ファンダ
GAAP / Non-GAAP EPS約 3 分GAAP EPS と Non-GAAP EPSとは|会計利益と調整後の違い
読み: ぎゃーぷ いーぴーえす と のんぎゃーぷ いーぴーえす
GAAP EPS は会計基準どおりに計算した 1 株利益、Non-GAAP EPS はそこから一時要因や非現金費用を除いた「調整後」の 1 株利益。両者がどう違い、なぜ両方を見るべきかを解説。
ひとことで言うと: GAAP EPS は会計ルールどおりに計算した「公式の」1 株利益、Non-GAAP EPS はそこから一時的な費用や非現金の費用を除いた「調整後」の 1 株利益。Non-GAAP は事業の実力を、GAAP は株主にとっての本当のコストを映すので、両方を見比べるのが基本です。
GAAP EPS と Non-GAAP EPS とは
EPS (Earnings Per Share: 1 株あたり利益) は、企業の利益を発行済み株式数で割ったものです。米国の上場企業はこれを 2 通りで示すことがよくあります。
- GAAP EPS: 米国会計基準 (GAAP: Generally Accepted Accounting Principles) に従って計算した、ルールどおりの 1 株利益。比較可能性が高く、これが「公式」の数字です。
- Non-GAAP EPS (調整後 EPS): GAAP を出発点に、企業が「一時的・非現金的・本業と無関係」とみなす項目を除いて計算した 1 株利益。
Non-GAAP でよく除かれる代表例が 株式報酬 (Stock-Based Compensation: SBC) です。SBC は GAAP 上は費用ですが現金が出ていかない非現金費用のため、本業のキャッシュ創出力を見せるという名目で除外されます。ほかにも、M&A 関連費用、リストラ費用、無形資産の償却などが調整対象になります。何を除くかは企業ごとに定義され、決算リリースで GAAP への調整 (reconciliation) を開示する決まりです。
なぜ重要か / 株式市場での見方
Non-GAAP には強い賛否があります。SBC を例にとると、「現金が出ていかないのだから除いてよい」という擁護と、「新株発行で既存株主の持ち分が薄まる (希薄化する) のだから実質コストだ」という批判が対立します。実際、SBC は分母の株式数を増やすため、1 株あたりで見た利益成長を押し下げる現実のコストになり得ます。
だからこそ投資家は 両方 を見ます。
- Non-GAAP EPS: 一時要因を除いた「本業の実力」を読むのに便利。アナリスト予想や企業のガイダンスも Non-GAAP ベースのことが多い。
- GAAP EPS: 株主にとっての本当のコスト (希薄化を含む) が映る、ごまかしの効きにくい数字。
注意点は、Non-GAAP の調整は企業ごとに恣意性が入り得ることです。Non-GAAP が GAAP より極端に大きい、調整項目が毎期「一時的」と称して計上され続ける、といったケースは中身を疑うべきサインです。両者の差とキャッシュフロー計算書をあわせて見るのが堅実です。
関連する用語・指標
企業がガイダンスで示す利益見通しは多くが Non-GAAP ベースなので、この違いを知っておくとガイダンスの数字を誤読しません。アナリストが修正する予想 (EPS リビジョン) も通常は Non-GAAP の予想を指します。